厠屋 2りんかん(仮) そのうち変えます。

適当に頭の悪い自転車弄りを晒します、停滞してましたがちょっとだけ再起動。

手組ホイールリベンジ XR200でクリンチャー編

やたら長い記事が続きますが過去ネタのまとめなのでご勘弁くだされ。 ちなみに昨年の春から夏ごろのお話。

前回の粗悪中華カーボンリムに翻弄され、残ったのはスポークとハブ、そして振れ取り台や専用工具の数々。
その内素晴らしいリムを見つけ出してやろうと心に誓いながらチャリ部員のバイク弄りに精を出す日々。
前回のフレーム発注の際にアリババ覗いたり思い出したようにリムを探す訳ですがコレが中々見つからない。
50ミリのリム自体は世に溢れかえってるんですがインターナルとなるともう少ないのなんの。
スポークCX-RAY買ったのにろくろくテンションも上げないまま一回で廃棄するなんて流石にもったいなさ過ぎ。

ぐぬぬと悩んでたらこちらも完成車のDTホイールの重量に悩んでた艦長からホイールの相談が。
登りでアドバンテージになって不安の少ないホイールって事で当初完組の方向でシマノのC24とかRS80、果てはキシリウムからR-SYSまで色々と検討。
それなら手組まで視野に入れてみるかって話になったんだけどここから先がなかなかの難産。

前回組んだ50ミリハイトは踏み出しはやたら軽かったのとハイト高いからルックスは良かったけどチューブラーは緊急時はクリンチャーより若干敷居が高い。なら重量増を覚悟で頑丈さに定評のあるギガンテックス製クリンチャーも視野に入れたけどアルミリムと比較するとブレーキや扱いに不安ありとの事で見送り。
カーボンカウル付きアルミリムなら気楽で見栄えもいいけどが重すぎて意味が無い。
ならばチューブレスと行きたいがNOTUBEのリムはシーラント必須の上に未だ評価が真っ二つ。
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そんなこんなと迷走するうちにそれならこういう方向性はどうだろう?と前から部員用にアイデア暖めてたKINRINのXR-200を使った低コストの軽量ホイールのアイデアを話してみた。

XR-200ならリム前後で700グラム前後と他のアルミリムに比べてかなり軽量な上に作りも悪くない。
加えて一本3000円程度と驚異的にコスパがいい上にクリンチャーなんで扱いも簡単。
安かろう悪かろうって類のリムでは決して無いので安心して使えるはず。
コレにそこそこ軽くて日本のEZO製ベアリングで回転性能も良くて安いノバテックのハブにプレーンなりバテッドの安めのスポークで組めばRS80やらC24位の重量のホイールなら2~3諭吉位で組めるよーと提案してみる。
この重量なら十分登りで効果あるし、ブレーキやタイヤの扱いも同じ、なにより構成パーツがどれも安いので破損時にも財布に優しいから気楽に扱える。
使ってて満足出来なくなったら今度は踏み込んでカーボンリムやチューブラー、又は完組みホイールを視野に入れればいい。

本人も乗り気になってくれたんでリム以外のパーツについて説明しながら打ち合わせを重ねる。
この時点での構想では黒いハブにプレーンスポークの至って地味なホイールを頭に描いていたんだが、ノバテックのハブを探してる過程で見つけたTOKENのセラミックハブに艦長が激しく興味を示す。
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レッドアルマイトにカーボン、そしてティラミック(セラミックにチタンコーティングらしい)ベアリング
これ、凄く厨二臭いです。
色々と調べたら国内で扱いが無い上にベアリングが特殊なので台湾から仕入れてもそこそこいいお値段しやがります。
TOKEN自体もBBやらが精度に難ありとか製品の評価が割と真っ二つなメーカーなんで悩ましい限り。
個人的には組んだらフリーの赤は隠れるし、フランジの端がアルミの地色なんで組んだらちょっとおとなしいかもって印象。
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アルマイトならノバテックも赤いのあるんで提案したがベアリングの厨二度でTOKEN優勢らしい。
更に俺が組んだ時に使ったCX-rayってスポークが気に入ったらしく出来れば黒い奴を採用したいとのこと。
CX-rayについて部員用に細かい部分すっ飛ばして簡単に言うとステンレス製の超軽量エアロスポーク
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一件細い只のスポークだけど
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エアロ加工がしてあってペラッペラ
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スポーク単体では最高のエアロ性能を誇り、他の軽量スポークに比べて圧倒的にスポーク切れに強く、切れたという話をほぼ聞かないといい所尽くめだけどお値段が普通のスポークの約10倍で手組用スポークとしては文句なしの最高級品。
日本で買うと一本500円、コレが前後で44本必要
一本三千円のリムにセラミックハブとCX-ray、なんという贅沢なチョイス。

そんな折にふと覗いたのが一昨年偶然発見してハブを注文したアメリカのbikehubstore.com
ここならXr-200もCX-rayも扱ってるから送料安上がり。
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ついでに良いハブ無いかなと商品見てたら出てきたのがこの厨二臭いハブ、前にアリババで見かけたけど台湾製らしい。
ざっくり仕様について読んでみるとTOKENのハブ同様カーボンボディ、更にスポークがストレートプル仕様でベアリングはセラミックベアリングで有名なアメリカのENDUROらしいが通常のスチールベアリング
メーカーもよくわからないしどうかなーと思ったんだけどとりあえず艦長に聞いてみた。
「完組みたいなストレートスポークだけどベアリングは普通に鉄、まあ将来交換出来んことも無いけど。」
「じゃあこっちの方が合計で注二度が上回りますな、素晴らしい」と想像通りの反応
だがストレートプルって事は普通のスポークが使えないのでストレート仕様のスポークの入手が絶対条件
「このハブどうよ?」と聞くと返った台詞は開口一番、「使ったこと無いからぶっちゃけよく分からん」
答えが正直過ぎて清々しさまで感じたが更に聞くと「カッコいいから仕入れたけど、作りは中々良い感じ」とのこと。
ハブボディは全部カーボンなのかアルミに貼っただけなのかと聞いたら翻訳できない表現で意思の疎通に手間取ったがフロントはカーボンボディ、リアはカーボン巻き?らしい。
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その後に図面送ってくれたけどリアはアルミのハブを真ん中でぶった切ってカーボンで繋いだ様な構造
これは表現が難しい訳だ。
ハブ屋のブランドン曰く手元の商品はちょっと訳ありでうっすら凹んでる部分があるらしく買うなら値引きしてくれるらしい。
わざわざ画像送ってくれたけど組んだら分からない程度。
しかしハブはストレートプル専用だからスポークが入手できないと話にならない。
CX-RAYのストレートは置いてないけど必要なら必要サイズ取り寄せてバラ売りするよ、との有難い申し出。
この手のスポークって基本まとめ買いなんでショップが不要な在庫抱えるってことなんだけどお言葉に甘えてブラックの値段を聞いてみたらお値段ノーマルと同じでオッケーとか信じられん言葉、ブランドンいい人過ぎて泣ける。
国内だとシルバーと黒の価格差だけで一本150円位違うけどここは18円位し差がありません。
前回は他の部品と一緒にドイツから買ったけど、今回ホイール部品一式ここから買うので送料掛かっても激しく安上がり。

迷惑ついでに自分のホイール候補にここが扱ってるギガンテックスのリムについて聞いてみた、ギガンテックスはOMEに注力してるのでホイールならBOMAやらあちこちでメーカーから買えるけどリム単体を個人レベルで入手するのはなかなか難しい、自分が知る限りでリム買えるのはこことプラネットX、それと日本のTNIだけ。
去年ここが扱ってたのはクリンチャーだったので断念してが今回チューブラーが新規入荷するらしい。

しかし詳しく聞くと今回仕入れたのはインターナルではなく通常ニップル仕様のリムらしくスポーク長が合わない、残念
色々買ってくれるし良かったら値引きするよってサクッと数十ドル値引き提示してくれたけど事情を説明して辞退
そもそも不良リム掴まされたのが原因だけど怪しい商品に飛びついたのも自分なんで責任の半分位は自業自得、ぐぬぬ

良ければチタン製のクイックも入荷したからついでに買わない?って画像送ってくれたので後日返事するよって事でお開き。arb.jpg
おお、このクイックはどっかで見たことあるな、というかウエパでセールやってたDixnaのやつにソックリだ、個人的には好きなデザインで艦長に打診したら「これは軽いし良いものですね」と即採用。
その日のうちにブランドンに連絡したら「すまん、あの訳ありハブ売れたから入荷まで二週間待ってくれ」ってんで暫く待機。
その後再入荷の連絡来たんで早速PayPalで支払い
内訳はリムが40ドル✕2 フロントハブ90ドル、リアが120ドル スポークが138ドル ニップル18ドル クイック45ドル
端数入れて計492ドルなんですが端っこにディスカウントとか書いてて合計438ドル+送料55ドルになってました
ジャストまとめ買いしてくれたしハブ売れちゃって待たせたから値引きしてくれたらしくほぼ4万ジャストでした。
ありがてえ、ありがてえ、当分アメリカに足向けて寝れねえ、当分夕食はハンバーガーとコーラにしよう。
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そんなこんなしてたらパーツ一式様がご到着。

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分解しないとスポーク組めない仕様なんで早速ハブを分解してみた。
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ボディ全体の削り出しはかなり凝った形状。
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フリーも綺麗な仕上がり。
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フロント側はこのシャフトを分解して
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ここからスポークを入れてキャップを被せる
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スポークがバラバラにならないのでステキ。
スポークの先端にスポークプレップが塗ってあります、コレも日本じゃ入手難な上高い。
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ニップルを差し込んで仮止め、工具は転がってた竹櫛
赤いニップルでって希望だったのでSAPIM製のアルミ、他のに比べると丈夫だって噂だけど妙に不良率が高い。
潰れてたり割れてたりしたのが3つも混じってて、スペアを使い果たすハメに。
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こんな具合にドンドンやっていきます、この作業はレンチ使えるインターナルの方が楽かも。
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仮留めが終わったら今度は全周まんべんなく仮締めして、ある程度しっかりしてきたら少しずつテンションを上げていくP1070385.jpg
噂通りリムの出来はなかなかのもの、ジョイント式なのにブレーキ面周辺もキレイ
下処理はニップル穴周辺を軽くさらった程度だけどほとんどカエリも出ず。
成形時の縦振れと思われる箇所が若干あるけれど許容範囲だし縦に硬いリムらしいので無理はしない方向に。
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後輪も組立て
前回は両側クロスだったけど今回はハブの構造上NDSはラジアル、左右のテンション差が結構ある
無闇に締め上げるのが怖いんで少し抑え目で組んで様子を観てもらうことに。
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組み上がったので重量計測、前輪575gP1070387.jpg
後輪702g
 合計1277g 
下手な完組より圧倒的に軽い。
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でもってクイックが44g
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引き渡す前に内緒でその辺に転がってた赤いカッティングシートをスポーク一本だけにペタリ
完組みたいにリムにステッカーも貼ってなくて地味な印象だったんで厨二度大幅アップ、剥がせば元に戻るしね。

引渡してみましたがやはりテンション低かったんで強めに貼り直し、どうも低すぎて空気入れて実装したら緩んできたっぽい
ストレートプルだし大丈夫なのかって事でテンション強めに上げて無事完成、怖かったけどニップルも無事でした。

でインプレなんですがやはり軽いの一言に尽きます、元のDTの完組と比べるとこんなに軽くて大丈夫かって位軽い。
元々艦長もシッティングで淡々と登るタイプで無茶しないし体重も軽いんで不具合も特になし。
今回はハブとスポークに大金注ぎ込んだけど重量維持したままもっと安くも作れるし、体重重い人や剛脚さんはスポーク数増やしてプレーン使うなりで対応出来そうなんで、中途半端な完組買うのがためらわれる程コスパのいいホイールが出来たと思います。
ストレートスポークについて欠点を一つだけ挙げるなら、アクシウムと同じように固定されていないので回転してしまう点。
回転して横を向いてしまってはせっかくのエアロスポークなのに意味がありません、今回のハブは割りとしっかりしてるみたいで今の所大丈夫ですが本音を言えばスポーク側に固定リブみたいなのが欲しかった。
その点に関しては普通のJベンドスポークは何も考えず組めるので気楽でいいです。

ちなみにXR-200とノバテックハブ、海外通販しなくてもTNIが自社のシール貼って売ってます、リムの穴数選べませんが、スポークも適当なバテッドの奴選べば国内で手軽に組めると思います、オススメ。