厠屋 2りんかん(仮) そのうち変えます。

適当に頭の悪い自転車弄りを晒します、停滞してましたがちょっとだけ再起動。

手組ホイールリベンジ2 中華カーボン38ミリ編

すいません、今回調子に乗りすぎてまた長いです、去年の夏頃のネタです。
艦長から依頼のクリンチャーが完成したので、一年近く放置中だった自分のホイールと言う現実と向き合います。
改めてネックなのがスポーク長の制限とそれに伴うリムの選択肢。
いくらスポークが高いつっても1万ちょいなんだから捨ててちゃんとしたリム選べよって話なんですが低コスパホイールの人柱として作ってるのにそんなホイホイとコストかけてらんないし、そうやって選んだリムが失敗だったら今度は目も当てられない。

そういやなんでスポークが使えないのか分からないメンバーも居ると思うんで、理由を説明しますね。
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左側が通常タイプのニップルで右側がインターナル(内蔵)ニップル
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ノーマルニップルはこんな風に穴からニップルの先端が露出してるのに対して。
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インターナルはニップルがリムの内部にあるためスポーク穴しか露出しません
つまりインターナルの方が計算上少し長いスポークが必要なんですよ
ノーマルだとニップルが露出する分ネジの位置が5ミリ近く中心に寄ってくるので短めのスポークが必要になります
素人が組むにはメリットが多かったんで採用したけど、結果それに今首を絞められてるのはなんとも皮肉。

メリットについてはニップルが外に出てこないのでスポークの入る小さな穴を開けるだけで済む。
大きな穴に比べて引っ張る力に対する強度が上がるので、ニップルを強く締めても割れにくくスポークテンションを上げ易い。
そしてもう一点、ノーマルに比べてニップルの強度もあるし締めやすい形状なんで作業しやすく破損のリスクが低い。
欠点としてはタイヤを外さないとニップル調整が出来ないので、チューブラーなんかだと完全にタイヤを剥がさないと駄目。

てな具合にいい所尽くめだし小さい穴開けるだけなんだからドリル替えりゃ出来るだろと思うんだけどなかなかやってる所は少なくアリババでもなかなか見かけない。

アリババだと会社は複数名だけど実態は同じ会社なんて事もあったし、飛びついてハズレ引くのは正直もう避けたい。
重くてひたすら頑丈な代わりにハズレが無いと言えば前回ちらっと触れた台湾のギガンテックスのリム
ここは自社の完組ホイールをEQUINOXって名前で売ってるけどOEMの倍位の価格がするし、リムの小売はやってない。
有名な話TNIのカーボンリムはギガンテックスにシール貼っただけなんだけど、前回のハブ屋で買うのと比較すると価格が高い。
ギガンテックスのインターナル仕様って他にもどっかー小売やってたハズ、と思い出したのはプラネットX
ここはギガンテックスのOEMホイールを自社ブランドで売ってて、確かリムも売ってたなと思ったらやっぱり置いてた
ギガンテックスのリムは貼ってるシールに特徴ありすぎるんですぐに見分けがつくんですよ。

このリムが仮にインターナル仕様でもギガンテックスのリムはニップル周辺の補強の厚さが5ミリもあるんで、実際今のスポーク長が使えるのかはまだ結論が出ない
RIPXCAR50_P1[1]
2つ目の問題点はプラネットXって商品ロゴ、ご丁寧にシールの上にクリア拭いてあるんでクリア削る覚悟じゃないとはがせない。もうちょっと気の利いたロゴなら喜んでそのまま使うんだが、、。
無地のフロント用リムは穴数が16本なんで俺の20本用のハブでは使えない
加えてここの完組ホイールはインターナル仕様なんだが一般向けに売るリムは一般的なノーマルニップルである可能性が高い。

悩んでても仕方ないので問い合わせしようとしたんだが、ここの連絡はメールフォームが存在するのみ。
質問が通じなかった場合の引用返信も受け付けないし毎回担当が変わると言う最悪な仕組み。
案の定まともな答えは帰ってこないし、引用して聞いても新規質問以外は放置されるんで話にならない。
悪い評判もあまり聞かないのはどうやらみんなオーダーフォームからテンプレ通りの買い物しかしてないっぽい。
表記されてるリムの寸法(ERD)もちょっと怪しいし、重量的にハンデ大きいんで諦めた。

ならばアリババジャパンで日本語オッケーの所はどうかなと思ってリムやらゴルフクラブ作ってる会社に問い合わせたけどインターナルは扱いが皆無
ちなみにここの会社の担当の女性がT1000の件をきっと嘘ですよ日本語で教えてくれたり、こちらは買うもの無くてもチャットにあらわれて色々話を聞かせてくれた
しばらく連絡もなかったが去年の秋頃に私を覚えていますか?実は会社を辞めることになりましたって連絡が来たので
覚えていますよ、色々親切にしてくれてありがとう、お元気で頑張ってくださいねと返信したら、
GetAttachment[1]
わざわざ本人と子供さんの写真送ってくれてなんか暖かい気持ちになったのを今思い出した、ポワワ。
国も人間的にも問題ある場合もあるけど、こういう人だって居るわけですよ。

脱線したけどフレーム購入で取引した3社にも聞いたがインターナル仕様は無し、との事。
これはマズイなと手組ホイール計画初期の頃に問い合わせしたyhishunbikeのホームページを見ると
エアロ効果が高いと最近流行のワイドリムを発見、しかも50ミリ、これがインターナルなら即採用だ
期待を込めて問い合わせしたが返ってきたお答えはある意味期待通りのインターナル仕様は無いとのレス。
いよいよスポーク捨てるかーと諦めながら考えてた時に、ロングニップルが使えるかもと思いついた。
ちょっと計算して見るとロングニップル使って38ミリのリムならイケルかも知れないとの結論に至る。

元々前回も最初は重量とハイトのバランス考えて38ミリにする予定だったし、38ミリのリムなら前回の不良リムに比べて重量的な差が殆ど無い。
開きっぱなしのyishunのホームページから38ミリチューブラーのページを見るとそこにはbasalt brake surfaceの文字が!
バサルトってのは玄武岩の事でコレで作られた繊維は耐熱性に優れています
カーボンリムの弱点の一つにブレーキ時の熱問題があり、昔はカーボンを固めているエポキシが80度程度の低い温度にしか耐える事が出来なかった為、ダウンヒルの様なブレーキをかけっぱなしの状態で発生する熱でエポキシが軟化してしまい結果変形してしまうと言った事例が頻発したらしい。
今のエポキシは耐熱性が大幅に向上されているのでここまで酷くは無いけれどアルミリムに比べれば熱に対して弱い。
BOMAのホイールの売りの一つにバサルトファイバーってのがあって、コレはブレーキ面にバサルト繊維を貼ることで熱変形を防ぐ工夫なんだけど、BOMAの中の人に以前聞いたらBOMAはカーボン繊維の商社でBOMAがこの繊維の技術協力をしたのでギガンテックスのリムは耐熱性がある、と言っていた。
とは言えバサルトファイバーは調べれば他の分野でも普通に使われてるので特許って程の技術でもない
しかし中華リムでブレーキ面にバサルトを貼ってる事を売りにしたリムを見たのはコレが初めて
バサルトファイバー自体中国でも生産されているので前回のT1000カーボンみたいに詐欺じゃねえのと疑心暗鬼になる事もない。
元々下りでブレーキ当てたまま下るなんてブレーキシューも痛むから普段からやってないんで実際問題は少ない。
あ、でもどっかで体重3ケタ前後の人が峠の下りを延々ブレーキ握ったまま下ってENVEのリムを変形させた、なんて笑えない事例もあったんで付いてないより付いてる方が嬉しい。

早速先日問い合わせた担当にチャットで詳細なERDを問い合わせて改めて計算、ロングニップルでギリギリな感じ。
コレでスポークが駄目ならその時はスポーク捨てればいいやと開き直った感じでリムを発注。
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中華カーボンの工場は香港と台湾に程近い所なんで大抵一週間足らずで届きます。
今回も翌週には届いたんで早速開梱して重量計測、ちゃんとホームページで見た数値の範囲だ、素晴らしい。
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ブレーキ面を指で触って確認したけどちゃんと平面出てます
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肩も気泡なし、ちゃんとエッジの形状でてて手で削ったような痕跡も無し。
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というか前回のこのリムが色々と酷すぎた。
今回のリムでこんな状態だったらすぐに穴あいてるの分かるから返品の山だったと思われ。
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やっとまともなリムが届いたっぽいのでホイールを組む事にします。
スポークプレップを取り出して。
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塗ります、コレ塗って乾かすととスポークを再調整する際ニップルの固着を防げるので便利です。
スポーク長の間違えを防ぐ為に色違いのプレップがセットになってます、コレも国内だと入手難な場合があったり単色一つでセット価格よりお値段高かったりするので海外から取り寄せました。
乾かすと組む時にちょっと締めにくくなるんで俺は使う前にもう一度薄塗りしたり潤滑剤を併用したりしてます。
前回竹櫛で差し込んでたニップルは、フレーム修理でお世話になったビルダーさんのアドバイスで自作工具作りました
まあぶっちゃけ千枚通しの先加工しただけなんですけどねw
DATI-1[1]
ハブは前回のBIKEhubstoreで購入した台湾のDATIです。
超軽量なんで人柱として購入したんですがベアリングは国産のEZO製で作りも結構キレイです。
前回組んだ時に不具合は感じませんでしたが、距離乗ってないので正確な評価はまだ良くわかってません。
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仮組みを済ませてスポークを張っていきます
実はCX-rayを採用したのには性能以外の理由がありまして。
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それがコレ、エアロスポーク用のスポークキー。
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こんな風に使うんですが、こうやってスポークをくわえてやるとテンションを上げる過程でニップルを締め込んだ時ににスポークが捻れるのを防ぐ事が出来ます。
コレが普通の丸いスポークだと締めれば締めるほどスポークはねじれて、それを馴染ませる為にスポークを横から踏んだりしてねじれを開放してやる作業が必須でその技術にも腕の善し悪しがあると聞いてました
それでも組み上げて走りだした時にスポークに力が掛かることで残っていたねじりが開放されてキンキンと音がするとか。

手組ホイールを組もうと思い立った2年前、素人ながらになんで道具でスポーク掴んでねじれを抑えるって発想が無いの?
バイスプライヤーとか使えばいいのに、馬鹿なの?アホなの?と先人様に対して失礼な事を思ってたんですが、様々なホイール組みの指南を紐解いてもそういった記述も見当たらず、素人考えで実際には問題があるのかなと思いながらパークツールの工具が安いジェンソンUSAとかアメリカのサイトで振れ取り台やらホイール用の道具を見てたらこんな物を発見しました
twist resist[1]
こんなの、リンク先のと色は違いますがどうやらコレで丸スポークを掴んでねじれを抑えようってんですね、賢い
しかしプロ向けの工具なのか結構なお値段しやがりますね。
なんで今までこんなのなかったのかなー?と思ってたら徐々に違和感を感じたので自転車用工具を検索してみた。
34607400087[1]
そうそう、コレコレ
ブレーキワイヤー張る際の便利工具のホーザンのインナーワイヤープライヤーにソックリ。
ホーザンがOEMで作ってんのかな?
5072399166_2ecc44aa82_z[1]
気になってきたんで「Twist-Resist」で画像検索したら海外で比較画像見つけたのでちょっと考察
ブレーキ用の工具では無いのでワイヤープライヤーにある部分が切り飛ばしてあって細かい部分にも少し違いがある。
あー、なるほどー。
考察終了、これOEMじゃなくてショップがプライベートでワイヤープライヤーを改造して作った工具ですね。
画像の部分を切断するために左側ののカシメを飛ばして、固定用のスプリングのテンションを上げるために穴の位置を変えてあります、おそらくスポークを適切な強さでしっかりロックする為の工夫で、バイスプライヤーの掴み調整的な改造なのだと思います(追記、よく見るとロック機構ないかも)、カシメ部分がネジに置き換わってますがOEMなら全部カシメて作るはずだしHOZANの刻印の部分をステッカーで隠したりしません
今出回ってる製品のグリップの色が変わってるのは多少の配慮なのかな?グリップ部分も実際の作業を考えて使い易くする為短くカットしてから曲げてあるんですが、一番上の画像と見比べると同じ製品でも曲げ方に細かい改良を加えてる様で色々考えられた品なのが分かります。
と言うかコレを思いついたこの人が素直に賢いし、改造の手間とアイデアの対価と考えればこの金額で売っても妥当。

元のワイヤープライヤーが安いのでネジ買ってきて後はサンダーとドリルがあれば簡単に自作出来ますね。
多少こういう作業やってる人ならちょっと考えれば似たような道具を簡単に流用して作れると思います。
バイスプライヤーを持ってる人なら一番楽でしょう。ウチの親が彫金関係の仕事やってて万力で品物に傷付けない様に銅や真鍮の板挟んでたんで、スポークもバイスプライヤーの先端に薄い銅板はさめばしっかり掴めるはず。
銅板に彫込みいれればモアベター
しまった、黙って似たような物作ればニッチな小遣い稼ぎやら秘密のテクニックって事で悦にも浸れたかもw
所詮俺程度の素人が思いつく程度の浅知恵でドヤ顔しても底の浅さが露呈するだけなのでやめーw
趣味人同士知識は共有したほうが有益ですよね、使えそうなら試してみて下さい。




あかん、盛大に脱線した、この手の話は長くなっていかんw
丸スポークだとこういう工夫が必要なんですが、エアロスポークだとスポークキーだけで一発解決というか必須
昔どこかでスポークキーを使わなかったのか、リボンの様にねじれたCX-rayを見た事がありますが薄いスポークなんでキー使わなきゃ組める気がしない。

素人が玄人と腕の差を埋めようとしたら道具と工夫しかありません、対等な条件だとお話にならない。
エアロスポーク選んだのは効果作業性を兼ねての事です。

前回の艦長のホイールの時に実感したけど改めてノーマルニップルは組みにくいと痛感。
原因の数割は素人のノウハウ不足による部分なんですが、組みにくい。
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左ノーマル、右インターナル
インターナルが肉厚しっかりで力もかかりやすい形状なのに対してノーマルの肉厚の薄さと掴み代の小ささと言ったら、、
真鍮ニップルなら多少は強いんでしょうが掴み代は一緒なんで乱暴に力掛けてニップルナメたらゲーム終了です。
mono35524946-110105-02[1]
技術不足を道具で補いたいのですが、世間の評判を聞くとパークツールのこのレンチほぼ一択という風潮
四面キャッチしてくれるからテンション上げても大丈夫って話なんで選んだんですが。
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精度は確かに高くてしっかり垂直に差し込まないと挿せないし抜けない程でニップルをガッチリ掴んでくれます
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ですがレンチがこちら向きになると上のアーチ部分が干渉して工具が斜めになって抜けない、テンションが上がってくると真反対の位置でしか差し込めないので10分の1回転など細かくテンションを上げていく様な状況でニップルが正確に差さる位置じゃない場合などは力を入れるのが困難だし、逆に差せても抜けない状況が頻発。
でもって掴む部分の形が悪いんでテンション上がってくると力が入れにくい。
作業が進む程作業性が落ちる専門工具なんて考えられないんだが世間では本当に評価が高い。
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こんなことならこっち買っておけば良かった、これなら指に力入れやすいし上の部分が干渉しないから作業性は高いはず。
世間のレビューって無視してこっぴどい目に合う場合もあるけどこういう物の場合使ってる人の技術や作業する基準が判断できないんで判断に悩む、それに例えこの工具を使ったとしてもですね。
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工具の上の部分が干渉するのでスポークキーで抑える位置が離れる。
この位置が上がるとテンションが上がって締め込みが強くなるほどスポークがねじれてしまって締め込む力が逃げる。
同じ箇所で固定してもエアロスポークは薄い分捻れにたいして力が逃げやすい。
あまりにお粗末なんでもう一度言います、馬鹿なの?アホなの?
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インターナルの場合だとこうなります
反対側からレンチを差しこむんでスポークキーをエアロ加工がしてあるギリギリの部分まで近づけて掴めるから捻れの影響が少ない、トーションバースプリングと同じ効果です
スポークキーの下にぶら下がってるのはシマノの完組に付いてくるスポークレンチでサイズが違うので使えません。
ですがこのタイプのレンチならスポークキーとレンチの位置を更に近づけて力を逃さないので作業性は上がるはず。
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という理由でノーマルニップルで作業するならこういうタイプのレンチとか力も掛けやすいし一番理にかなってると思う訳です
コレで四面掴みのしっかりした作りの奴があれば一番いいと思うんですが見当たりません、やはり素人考えで分からない高度な理由があるんでしょうかね?
もっと贅沢いうならインターナルみたいに使える、ねじ切り用のダイスに近い奴を作ってくれないかなと。
艦長のホイールもいずれ再調整する日が来るんでしょうが力を入れづらいので正直怖い。

捻れの問題はあるけれどウサ耳型で注意深く作業すべきか、メガネレンチ型を探すべきか、、、。

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上の考察は作業の完了後の感想なんで、実はホイールは組み上がってます
作業経験が少ないんで経験から来るコツやニップルが潰れる限界なんかも掴みにくいのでとにかく慎重に作業
組立作業はインターナルの方が道具的なストレスが無い分圧倒的に楽でした。
まあとりあえず重量計測。
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38ミリなんで前の中華リムに対してプラス5gとほぼ誤差の範囲で収まりました
後輪は両側クロスなんですがスポーク長がギリギリでなんとか組めた感じです。
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ひとまずタイヤ貼って試走しますかね。
タイヤは身分不相応にVELOFLEXエクストリームです
走った感想なんですが、前回のホイール同様とにかく乗り味は軽いんですが、なんかピンとこない。
ペダル回してると明確に軽いし今回はスポーク張ってるので踏み込んでも不安無く速度も上がる。
でも何か軽いだけで感覚的に良いと感じない、端的に表現すると乗ってて楽しくない。
王子にも試してもらったけど「シャマルの方がいい。」とバッサリ。
正直重量的な部分差し引いても艦長に組んだホイールのほうが乗った瞬間から楽しかった。
ぐぬぬ、コレは良くない、非常に良くない。
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素人考えのない知恵絞ってたどり着いた結論はスポークレイアウトから来る剛性過多。
艦長のハブはストレートプルで反フリー側がラジアル限定だったんですが俺のホイールは両側クロス
12ffwd007[1]

これはホイール組みを計画した際少しでもしっかり組もうという思いから中華リム使ってると噂でかつ丈夫だとそのころ評判だったFFWDが両側クロスだったので参考にしたと言うのが理由。
この頃はとにかく手組からZIPPにLightweightまでありとあらゆるホイールの知識を片っ端から調べまくって
自分の条件で一番性能のいいホイールを作るって条件で全てのパーツとレイアウトに至るまで考えての結果。
肝心のリムが使い物にならなかったのはご覧の通りだけどリムを変えてもフィーリングが変わらないとなると次に考えられるのはスポークレイアウト。
そういえばショップの試乗会やらでENVEで組んだホイールやマッドファイバー、果てはLightweightより軽いと噂のReynoldsのRZRまで使わせて貰った事があるけれど、いわゆるハイエンドホイールの中には前回のホイールの様に軽いししっかりしてるけどピンと来ないホイールが結構あった。
そういえば今も某メーカーに居るホイール組みの神様の話をしてくれた人が、作業を見せてくれた時に女の人に組むホイールは柔らかく組んでるんですよと言っていたのをふと思い出した。
もしかするとこのホイールも片側をラジアル組みにした方がいいのかも知れない。
そう考えると、いよいよもって後輪のスポーク捨てなきゃならんのか
このまま使ってもスポーク長に不安もあったし、なにより使う気にあまりならない。
仕方ないので片側ラジアルで計算しなおしてみるとなんと今のスポークを左右反対に使うとドンピシャのサイズと判明
なんという偶然なのか、ロングニップル使わないサイズで完全に一致。

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早速分解してやり直し
仮組み終了後にスポークのクロスの向き間違えるの発覚してやり直したのはご愛嬌。
フロントにも言えるけどラジアル組みの時にスポーク反対側に出すとワイドフランジと同じ効果があるんで採用すべきか悩んだけど、この時は工具が干渉して作業性が悪くなるんで不採用としました。
剛性過多かもって考えてた矢先だったし、工具の問題が解決したら組み直しも視野に入れます。
その際はノーマルニップルの後部がインターナルのような形状になってるニップルがSAPIMやDTから出てるんで評判が良かったら換装すれば、作業性は大幅に上がるはず。
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ラジアルに張り替えて完成。
片側ラジアルはなんか見た目に違和感あるけどいずれ慣れるでしょ。
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1グラムの軽量化に成功しましたw
ニップルが2ミリ短くなったんで多少変化あるかなと思ったけど、まあこんなモンです。
早速タイヤ貼って一回りして来ましたが結果は大当たり、別物かと思うほどにフィーリングが良くなりました。
踏んでも回しても気持ちよくスピードが乗るし、バイクを振っても不安なく速度が伸びるようなフィーリングで楽しい。
巡航時も軽いのに妙に疲れる前の感じは無く速度の維持も楽。
ブレーキも十三峠登って葡萄坂下ったりしましたが今の所ブレーキ面に変化もなく日常全く不安ありません
シューは発熱が多いって噂のSwissstopのイエローですがこちらも問題なく効いてます
メーカー担当から問題ないから使っていいよ聞いてたけど少し心配だったんでw

レイアウト一つでこんなに変わるかと思ったけど、よく考えたらFFWDってオランダの会社なんですよね。
身長190センチがゴロゴロ居るような巨人の国の製品を基準に考えたのがそもそも間違ってた。
そりゃ巨人が踏んでも大丈夫なホイールなんだからレースやってる人やプロの評判がいい訳だ。

俺はクリテリウムなんかでガシガシ踏み倒す剛脚さんとは使い方も体重もぜんぜん違う。
そもそもフレームにしたって踏み込んで伸びる様なタイプが好きだし値段の張るハイエンドホイールより無印R-SYSの少ししなる様なフィーリングの方が楽しかった。
スポークレイアウト以外ほぼ同じのレーシング0とシャマルでも若干マイルドなシャマルの方が好印象だった。
最高性能ってのは人によってやはり違うというのを身を持って実感しました。
そう考えるとマニアがよくやる最強ホイールの考察ってのは結構無意味なのかも知れない
結局のトコロ単なる軽量、高剛性の追求に過ぎないから現状前パーツ専用設計で構造考えられる完組ホイールの方が理にかなってる部分があって究極的にはハブ全体やスポークにカーボンを使ってリムに負担を掛けない構造で軽さと剛性を突き詰めたLightweightみたいなホイールに行き着いてしまう
このホイールの持つ最高の軽さの恩恵は万人が受けることは出来るだろうが他のレース向けホイール達がそうであるように過剰な剛性については軽い体重や未曾有のパワーを持ち合わせてない人間にはかえってマイナスになる。

ならば軽さと強度は維持しながら、その人が最高だと思える感触を生む剛性感や要求性能、贅沢を言うなら日常不安なく使える耐久性やコストを追求する事こそ最高のホイールの条件なのかもしれない。
幸いチャリ部には体重3桁のおデブさんもスプリントで70キロに届かんばかりのマッスルモンスターは居ませんw
この一連の経験で低コストで軽量ホイール作る事に関して技術はともかく知識的なノウハウは得られたと思います。
次に作る機会があれば作業的な面やその人に合った剛性感について追求したいですね。
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OAYKATAがリムに貼るステッカー作ってくれました、おかげでショップで売ってるホイールの様です、大感謝。
元ネタは分かる人だけ分かって下さい、こういうのは控えめにやるのがいいんでw