厠屋 2りんかん(仮) そのうち変えます。

適当に頭の悪い自転車弄りを晒します、停滞してましたがちょっとだけ再起動。

身長対策 NOKON ワイヤー編

P1070048.jpg
前回の記事の為に画像見てたらコレもそのうちネタにしようと思ってたの思い出したんで忘れないうちに。
王子は身長147センチの小人なんでサイズ大きめの595に快適に乗るために色々と仕掛けがしてあります。
このノコンのワイヤーもそんな対策の一つ、世間的には軽量マニア向けのパーツです。

王子がロード購入した2008年は650cを廃止するメーカーが多く,小人用700cはカタログ見返してもごくわずか
今思えば小人にとってはつらい時期だったと思います。
3524022009529205443271427705-1[1]
我が家は最小サイズのフレームでセミオーダー可能なGHISALOのG-1XSを在庫確認してオーダーしてたんですが
納車まで一か月待たされた挙句メーカー在庫切れという理解不能な事態で購入不能に。
この後の自転車探しの苦労は「のりりん」どころの騒ぎじゃなかったですよ、世の中マンガ程甘くない。
DSC_0015.jpg
仕方ないのでそこから一か月ショップというショップを巡って入手したのがこのBMCのSSX01
最小のSサイズで身長150㎝~165㎝が対象ですが完成車に付いてきたステムは100㎜でハンドルは380㎜
ステムもハンドルも大きすぎたのでステムを50㎜ハンドルもショートリーチに変えてポジションを適正化してあります
クランクに至ってはなんと170㎜、今170㎜の人が190使うくらいの暴挙、165㎝対象ならせめて165㎜にすべき。
クランクについて語りだすと長くなる予感がするので次回に回して今回はハンドル周りに話題を限定します。

その後コンポをアルテグラ化することになったんですが
P1050621.jpg
シフトワイヤーが旧型のシフター横から伸びるタイプから
P1050626.jpg
ハンドル脇を沿ってワイヤーが露出しないタイプに変更になりました
上の画像と比べるとアウター(外側のワイヤー)の曲りがきつくなってますが通常よりステムが短い分、ハンドルを曲げた時のアウターの曲り量がキツくなってます。
とは言えちょっと気になるかな、程度でこのフレームでは許容範囲だったんですよ。
P1060616.jpg
その後新フレームの595になってパーツ一式を移植したんですが
シフトアウター受けの位置やステムの高さが変更になって更にアウターの曲りがキツい感じに
更に良くなかったのが曲りがキツイ分ワイヤーの抵抗を減らそうと導入したアリゲーターのケブラーアウター
41aSf4TIM3L[1]
アウターワイヤーの構造が通常のステンレスではなくアルミとケブラー繊維なんできっとしなやかなんだろうと思ってたら軽いけどやたら固いし太い、リアのブレーキワイヤーもフレームに内蔵する寸法ギリギリでハンドルを左右に振るとワイヤーが邪魔してるのが分かるほどステアリングが重い。

0[1]
これはオートバイでハンドルを安定させるステアリングダンパーだと思って肯定すべきか
それともハンドリングをアンダーステア(曲がりにくい)化させる原因と否定すべきか、悩む
あまりシビアに捉えて実際大した弊害無かったら一番バカみたいだけど抵抗の無い状態との比較はしてみたい。


P1070732.jpg
しゃあない、これ使おう。
NOKON コンカベックスシステムワイヤー
また長い名前だ。
ワイヤーと名乗ってるけど実際の所アウターだし、そもそもワイヤーですらない。

ly220ub03[1]


通常のブレーキアウターはスパイラル状に巻きつけたステンレス帯の外をビニールでコーティングして内部にインナーワイヤーの抵抗を減らすライナーが入っています。
1297264929426-1io0z3gpnnuig-399-75[1]
しかしコイツの場合ライナーの外は一つ一つをアルミ材から削り出したピースの集合体です。
illust2[1]
透視図で見るとこんな感じ、螺旋状に帯を巻く方式だとブレーキやシフトチェンジの時アウターに掛かる力(アウターを真っすぐ押し縮める方向の力)に対してごく僅かにスプリングの様な隙間が空いています
独立したピース式のノコンは遊び(隙間)が少なくブレーキのタッチ(握った時の感覚)がよりダイレクトで
構造がシンプルなので(笑) 軽量化出来るってのがこのパーツの売り文句なんですが、ですがね。
08ib5nokon[1]
ピース一つずつ削り出しなんてアホな作り方してるから高いんですよ
例によって国内だと1万オーバーで-10gとほとんどパーツの誤差の範囲。
カーボン削り出しバージョンなんかアホの極みで三万越えですよ。
このバージョン、通常ワイヤーの半分の重量ですがたった20グラムの軽量化、-20gでさんまんえんw
極め付けに軽量厨御用達パーツらしくカーボン版は縦方向の力に耐え兼ねパッカリ割れて回収と相成りました。
いくらカーボンでもこんな小さい筒に縦と内側から力掛けたら繊維固めてる樹脂が割れます、もうね、アホかと。
P1070726.jpg
アルミの奴も日頃メンテしない人が使うとこの接触部分が擦れて汗やら水分で錆びて破裂するらしいです
知らない人多いですがアルミは完全に錆びると内部がボロボロになって下手すると指で潰せる程もろくなります。
そんなになるまで点検すらしないのは論外ですがこのピースが割れるとブレーキ効かないので本気で命に関わります。
初期の製品がアルマイト仕様だったのに今の製品が塗装なのはその辺も理由かも、でもやっぱコスト面かな?


じゃあなんでお前の所のチンチクリンに使わせるんだよって?
このケーブル、他のと違ってパーツ同士が独立してて接触する部分が少ないですよね
上の画像を見比べて貰うと普通ならライナーとステンレス帯はチューブでコーティングされてるので曲りの動きを制限しますが、ノコンはピースがライナーで繋がってるだけなんでボールジョイントというか蛇腹関節みたいになってます。

つまり
UC4-4[1]
水陸両用のコイツや
20111114150219be9[1]
90343bed16ec21dc[1]
コイツらみたいに
関節をどんな方向にもグニグニ自由に動かせるので、ワイヤーの曲げがきつくなった分ステアリングの軽さを取り戻す事が出来る訳ですよウネウネ。
ga-10[1]
なお「蛇腹関節は水中戦が得意」が鉄の掟なんですが、残念ながら錆びると死ぬので水中戦はご法度です、
水色のくせに使えねえ、、。
02ti_ilink_sh02[1]
似たような形状のタイオガi-linkも候補として検討してたんですが
見た目がお気に召さない上に関節の自由度が低いという昔のプラモデルみたいな残念構造
その上ワイヤーを強く引くと内部の段差でライナーが一発で痛むという残念すぎる耐久性。
少々お手軽とはいえ残念すぎるしこの形状は擦れてあちこちに傷が入りそうなんで却下。
ノコンはドイツ製なのでスポークと一緒にドイツのスターバイクから買ったら半値で買えると分かって採用決定
たしか5千円位だったかな、普段部員のバイクのオーバーホールなんかでワイヤー交換する場合お店にお願いして78デュラ用のワイヤーを一式分けてもらうんですが、大体2000円しない程度なんで7900デュラワイヤーセットを袋で買うよりちょっと高い
でもドイツからの送料だけで3000円位吹っ飛ぶので単体購入するならウイグルCRCで買った方がいいです。


P1070728.jpg
構造も値段も頭悪いパーツですが、極め付けに頭悪いのは装着にかかる手間
ライナーにピースを一つずつちまちま入れて繋いでいくんですが、ブレーキや変速時の力やハンドルが動く時にピース同士が擦れて音鳴りがしたり、その部分の塗装が削れてサビの原因にもなるので一つ一つに丁寧にグリスを塗り、
P1070727.jpg
同様にライナーにも水が入らないようにグリスを塗る、という作業をひたすらちまちまと。
P1070730.jpg
女子児童のビーズ細工のごとくひたすらちまちまちまちま、カーブの場所によっては小さめのピースを混ぜたり
これだけやってやっとリアディレイラーの変速部一本ぶん。
konkavex_2009[1]
このアクセントになってる金色のパーツですが、一つのワイヤーセットに2つしか付いてこないのですよシット
今回買ったワイヤーセットはブレーキとシフト両方使える奴だったんですが見えない部分に加工した7900用ワイヤーをミックスしてワイヤーとシフト両方まかなってるので金のピースは自作してます。
それにしても右端のカーボン仕様、切削の仕上げ悪いし縦方向に繊維揃ってるしそりゃ割れるわな。
こういうパーツは一色でそろえると浮くんでピンポイントに入れる指し色は重要。
IMG_5039[1]
無いなら(出来る範囲で)作る主義なんで事でこれを使いました、ハセガワミラーフィニッシュのゴールド。
模型のメッキ表現用のフィルムで表札程のサイズで1200円もするます。
P1070729.jpg
超が付く程薄くて曲面にも追従するのでこの距離でもメッキにしか見えません、バリエーション豊富なのでオススメ。
P1070041.jpg
ビーズ細工、割愛しますが欲しい長さになっても適正なワイヤーの長さを探して足したり減らしたりと言った調整作業を延々(永遠じゃないよ)と繰り返し、人によっては半日とか丸一日掛けたなんて人もいらっしゃったらしい。
P1060811.jpg
撮り直すの面倒なんで画像は使いまわしだけど完成
P1060616.jpg
ハンドル周りのアウターの曲率に注目
P1070048.jpg
アウター自体が触ると分かるほどフニャフニャなんで無理に曲げてないけどこんな感じ。
ハンドルを切っても今までのようにアウターの抵抗感も無く、一言でいえばスカスカ。
どれくらい軽いかと言えば迂闊にバイクを立て掛けようものなら勝手にハンドルが切れて倒れてしまうほどの軽さ
体格を補うためのきついワイヤーの取り回しがステアリングの抵抗になってたのは明らかな模様。
本人も多少軽くなった感覚はあるらしいけど日頃そこらでシケインを本気で切り返すなんて状況が頻繁にあるわけもなく、実際の効果に関してはおそらく広い所で空き缶置いてジムカーナ競技みたいな事すればハッキリするかも。
とにかく組んでからずっと走行上のネガになってるんじゃないかと気になってた点なんでものすごいスッキリ。

今回は体格から来る障害の解消が目的だったんで正直ここまで小さい人は無理に使うことはないかなと。
タッチはダイレクトになるけど構造上ワイヤーを引く時にピース同士が押し合う際の独特のゴリゴリ感を伴います
使ってみて効果が感じられないという声はおそらくタッチが好みに合っていなかったのではないかと思われ
バイクでも勘違いする人が多いですがタッチがダイレクトになる=ブレーキが劇的に効く、という事ではないので。AcCb_OuterCable001GdSv_13Wb[1]


ノコン国内でも通販でも最近扱いが減ってますが欲しいって人は最近TNIが扱い始めたこちらなんてどうでしょう?
http://www.trisports.jp/?q=catalog/node/6651
カラーバリエーションがやたら豊富なのはどうやら代理店がせっせといろんな色を混ぜて売ってる模様
国内定価で考えればノコンの半分くらいだし、重量もシマノに比べて大幅に軽いです。
が、肝心の構造が良く分からないのでi-linkみたいな欠点があるかもしれないので様子見推奨。
どっちにせよ普通に使う分には只の高い盆栽パーツなんでマメに整備できる人以外オススメしません。