厠屋 2りんかん(仮) そのうち変えます。

適当に頭の悪い自転車弄りを晒します、停滞してましたがちょっとだけ再起動。

ロードバイク 32t化のススメ

最近の完成車はすっかりコンパクトクランクが標準装備ですがここ数年はさらに進んでリア28t標準装備も増えてきました。
こないだまで周囲でで唯一のノーマルクランクユーザーだった身としてはなんとも羨ましい話なんですがそれでも苦手な人にとって登りは苦行です。
もともとの得手不得手はもちろん、女性や最近ロードバイクを始めた人にとって登りを克服するのは大きなテーマ。
メーカーもそんな現状を意識したのかシマノは新型ティアグラの4600系にリアに30tを投入してきました。

距離を走る場合登りが苦手な人が陥りやすいのは登りの度に体力を消耗して後半失速するパターン。
こういう場合、多少ペースが落ちても軽いギアで足への負担を減らした方がアベレージを維持できて全体的に速いです。
最近のこういう流れを軟弱と捉える向きもあるでしょうが、道具として考えるならホイールの一件でもわかる様に悪戯に理想を追求するよりその人の今に一番合った物を使う方が武器になると思います。
それで登りが好きになって速く登りたいと望むならその先は努力すればいいだけの話ですし。

さて本題
初回の2010年から淡路島ロングライドに参加してまして、もはや恒例行事となった感があります。
このイベント実は要所要所にそこそこの登り区間が点在してまして、初回時はそんな事と知らずに気楽に参加した参加者達で皆死屍累、道路の左側は自転車を押し歩く人達で溢れさながら死者の行列のような様相で、後半の土砂降りと相まってサイクリング気分の参加者さん達の姿はちょっとした地獄絵図に。
幸い自分は割と登りが得意な方なんで坂ではボランティアのスタッフさん以外に抜かれることも無く、ちょっと速くなったみたいで気分良かったんですが後半泣きながら登ってる女の人とか居ててなんだか申し訳ない気分になったり。
その影響か初年度はママチャリや小径車なんかの非スポーツ自転車がかなり多かったのが翌年はほぼロード一色でした。
小寺プロ4
イケメンは上りが苦手らしい。
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身長の低い王子はアルテグラ改造の超ショートクランク(143mm)なのでトルクが掛けにくく登りは苦手
二人ともきつい坂は押してたらしくてかなり苦労してました。

2011年は参加メンバーが倍の6名に増えたんですが半数の3名が坂苦手なので対策を考えました。
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まずあうるさんのコラテックから
スプロケは25tで付いてるディレイラーはアームの短いショートケージのRD-5600SS
試しに王子の28tを入れてみたらギリギリ動いたので採用。
ただし、アームが短いのでアウター×ロー(この場合フロント50t×リア28t)はアームが伸びきってしまうので厳禁。


続いて知人と王子の対策ですが前回既に二人とも28tで坂によっては押して歩いてたので更なる対策が必要。
001_634943683975684591[1]
ティアグラの30t使おうかと思いましたが登りの2tってギア一枚軽くした程度の変化ですよね。
押して歩く様な状態でのギア一枚分は失速して転ぶ寸前なのがフラフラになりながらなんとか踏める様になったって程度でこれでは楽と感じる程の違いにはならないはず。
楽に登るならせめてギア二枚分位の変化は欲しいけどトリプルは日常では変速等デメリットが多いので避けたい所。
sram-pg1050-10sp-cassette-440g-b1[1]
そこで白羽が立ったのがこれ、SRAMの新コンポAPEX用の32tスプロケ
SRAMならシマノと互換性があるので行けますが問題はディレイラー、ワイヤーの引き量がシマノと違うので互換性なし。
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新型ティアグラは最大30tだけどRD-5600の件で多少余裕があるのは分かってるんで2t位なら使えます。
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これで行くかーと思ってたら面白いものを発見、シマノがこっそり出した30t対応の105のリアディレイラーらしい。
従来のと比べてスラント角が変更されてて30tでも大丈夫なんだと。
bebike_rd-5700a-ss_2[1]
引用画像ですがこんなところに対応の刻印がコッソリ、聞けば従来品と入れ替えらしくて在庫の動かない店だと入手出来ないとか。
型番もRD-5700からコッソリRD-5700「A」と地味にマイナーチェンジ
size-slant03[1]
スラント角って何ぞやって話ですがここでまた引用するとこうなります
上の画像は小さなギアと大きなギアの刃先を結ぶ線の違いを比較したものなのは何となくわかると思います。
変速時リアディレイラーはこの直線の上を移動してチェーンを載せ替える訳ですがこの角度の事をスラント角と言います。
小さなギアに対応したスラント角のディレイラーだと大きなギアの場合ディレイラーとギアが衝突してしまうのです。
じゃあ最初からスラント角大きくしとけやって事なんですができる限り近いほうが変速効率がいいので小さいギアを使うロードの場合、スラント角の小さく設計した方が効率がいいわけです。
効率を無視すればこの場合大は小を兼ねるので大きなスラント角で小さなギアを変速させることはもちろん可能です。
105-5700260-300x195[1]
でこの5700Aですがプーリケージの短いSSと長いGSタイプがあるのですが、GSとの違いは10gほどの重量差程度。
厳密にいえばケージの短い方が変速面でわずかに有利らしいですがほとんど誤差の範囲。
重量なんて特大のギア選択してる段階で気にする程の差ではないし、コンパクトクランクでもアウター×ローが使えるGSの方が変速の許容範囲が広い訳で、両者30t対応なんですがGSを選択しました。
いざとなりゃケージのパーツだけ変えればいいしね。

SRAMスプロケですが当時日本で買うと代理店がジャイアントな大人の事情でえらいお値段でしたのでCRCから購入しました。
このPG1050、ロード用とMTB用でラスト三枚のギア比がえらい違ってMTB用の方がまともだったんでそっちを選びました
今はロード用もまともなギア比になってましたが当時はたしか25からいきなり32に飛ぶような凄い仕様だったはず。
送ってきたのは箱の無いパソコンでいうバルク版みたいな袋だけのパッケージ
二つ買った内の一つの袋が破れてて11tのスプロケが欠品してたんですがもともと大きい三枚以外は変速性能的な意味でシマノスプロケとミックスで組む予定だったので問題なし。

それでも一応CRCに連絡したら良品送ってくれて欠品スプロケは返却不要とのこと、スペアが一つ増えましたよありがたや。
スプロケが変わったのでチェーンをKCNCのX-10SLに変更しましたがこれの話は別の機会に。
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シマノスプロケとミックスして組立完了、スプロケでけえw
実はこのバイク去年盗難されてしまいました、人様のですが整備担当してたんで愛着もあったし我が家のパーツも結構ついてたので未だにショック、盗む奴が一番悪いんですが大事なバイクから離れる時は最低限地球ロック等の防犯対策はしましょう、乗り手の防犯意識って大切です。
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使う状況はほぼ無いと思いますがアウター×トップだとこうなります、二台とも同じタイヤですがこれもまたいずれ。
使った効果ですがやはりギア二枚分の違いは絶大で、坂で一度も足をつかず

足の消耗が少なかったので32tを使わない状況もあったとかでほぼ狙い通りの結果となりました。


むしろ今回は例の不良リムで走った自分の登りが練習不足も重なり絶不調でストレス溜まる展開でしたw
この32t化は好評で翌年は更なる性能向上を狙ってパーツを一新して更なる改造も加えたりするんですが毎度長くなりそうなので次回のネタにしたいと思います。