厠屋 2りんかん(仮) そのうち変えます。

適当に頭の悪い自転車弄りを晒します、停滞してましたがちょっとだけ再起動。

KMC X10SLとIRCフォーミュラプロ チューブレスライト。

KMC X10SLとIRCフォーミュラプロチューブレスライト

 

前回の記事の補足です、両方割と高い部品なんで安く仕入れてみました。
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32t化するとスプロケが巨大化してチェーン長が足りなくなるのでチェーンも新品にする必要があります。
前に装着してたチェーンは7900デュラなんですが、同じ奴をもう一回使うのはなんか面白くない。
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今回選んだのは台湾KMCの最上級グレードX10SLです
金ピカなのはチェーン表面に施された窒化チタンコーティングです。
表面硬度を向上させ摩擦抵抗を低下させる効果もあるのでレース用バイクのフロントサスなんかにも施されてます
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チタンと言うとシマノの限定ブランド夢屋が売ってるデュラ用窒化チタンコートチェーンってのがありますが
シマノのチェーン作ってるのはKMCです。

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このチェーン、前から気になってたんですが異様に高いんですよ
この頃国内パッケージ版の定価が9000円位したはず。
例によって海外だとえらい安くなるんでそっち方面から仕入れる事にしました。
Ebayで正規パッケージ品扱ってるアメリカの業者が居たんですがアメリカは送料が高いのがネック
そこで部員に送料頭割りで安く仕入れるよーって告知したら希望者が7名も集まりました
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あまりに金色過ぎるんで結構前から気になってた反面この厨二パーツどうよ?って思ってたんですが
ツールでエウスカルテルオルベアに付いてたの見たら思ってた程派手じゃなくて結構いい感じ。
金色のパーツってピンポイントで使いやすい色ですよね。
どの色のフレームに使っても割と下品にならないんでアウターキャップとか迷ったら金でいいと思います。
単純に色で釣られた部員もいましたが結果送料がかなり安くなって一人頭3500円と半額以下で購入出来ました。
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軽量チェーンとはいえ7つも買うとUSPSの紙パックが結構な重さに
届けに来てくれた郵便局の人が不審がったのか中身聞かれましたよw まさか銃弾だと思われた?


その後フレーム組換えで追加の購入希望が合ったんで再発注したら送料の関係で結構高くついたので
単品注文の3回目は思い切って台湾のMr bikeって業者から箱なしのバルク品を取り寄せてみました。
http://www.ebay.com/itm/mr-ride-2013-KMC-GOLD-X10SL-10s-10-speed-Chain-112-Links-Sram-/330856551427?pt=Cycling_Parts_Accessories&hash=item4d08965403
一つだけの注文でしたが送料込みで今のレートで3500円前後だと思います
正規パッケージ品と比較しましたが完全に同一品だったので今後は台湾で買います。


肝心の性能ですが変速させても依然使ってた7900デュラのチェーンと違和感はありません
チタンコートの謳い文句の耐久性はまだ不明ですが金色のチタンコートはチェーンが汚れるとすぐに黒くなってしまうので輝きを維持する為に清掃を促す効果もあるので、日頃メンテ怠る人にこそおすすめしたいです。


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このチェーンのもう一つの特徴といえば食わず嫌い気味だったミッシングリンク、便利です。
部員の整備をやっていると使い捨てのアンプルピンも結構消費するので勿体ないです。

チャリ部ではチェーンの不具合はなかったんですが立て続けにピンが抜けるチェーン切れが起きまして
おそらくチェーンカット時にカシメたピンを飛ばした際にプレートの穴周辺が微妙に緩くなったのかも?
と思うんですが穴が緩いとピンの接続部は簡単に外れてしまいます
その点互いに溝をスライドさせるミッシングリンクならピン抜けの心配はありません。

自転車のチェーンって変速で横に動くのにチェーンカットした後の接合方法がバイクに比べていい加減だよなと前から思ってました。
本当ならバイクやカンパみたいに完全にカシめるのが確実だと思うんですが、整備性を考えるとカシメの加減に個人差が出るし
ピンを抜くたびにプレートの穴が広がるような気もするんで同じ個所を何度も脱着は出来ないかも。

ミッシングリンクは最初の数回はやたら固くて簡単には外せません
数回外したりしてると手で外せるようになるんですがこれを馴染みが出たととるかヘタったと取るかは賛否両論あるようで。
調べた感じ走行中にリンクが外れたって話は聞かないんでスペア用意した上で再利用してます。
部員の使用率が高いのでこうへいがミッシングリンク専用の脱着工具をチャリ部に寄付してくれました、ありがたや。
シマノチェーンにも使えるんで使い捨てピンの代わりになるのもいいかも。


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そういえば7900も発売時はコネクトリンクってミッシングリンクと同じようなワンタッチ脱着式だったんですが構造というか強度的に欠陥があって不具合連発で廃盤になりましたよね。
シマノ方式の方が脱着はやりやすかったらしいですがミッシングリンクはトラブルをほとんど聞かないのでシマノ方式がちょっとやり過ぎたんだと思われ。


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自分は万が一のトラブルに備えてこんなものを携帯してます。
トピークのレスキューボックスってパンク用のパッチキットなんですが。
アンプルピンとミッシングリンクのスペアを収納するスペースがあるんでサドルバッグに忍ばせておくと便利です。
最近はチューブラーなんで本来パッチは必要ないんですが他のメンバーの修理もできますし、まだ試してませんが最悪その場でパッチ貼って布テープやテーピンクで胴を固めてって修理もできると思います。





次にこちら、チューブレスタイヤ
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今回導入したのはIRCフォーミュラプロ、チューブレスライト
やたら長い名前ですがフォーミュラプロってのはIRCのレース用タイヤのブランド名らしいです。
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シャマル導入した時に同時購入した同じくIRCのフォーミュラプロ、トップシークレットからの交換です
トップシークレットはチューブレスタイヤで唯一のラテックスタイヤでした

正確にいうとタイヤ内側のクリンチャーで言えばチューブに相当する部分の層がラテックス(天然ゴム)と聞いてラテックスチューブ使ってたので即飛びつきました。
軽い走行感が凄い良かったんですがIRCがとんでもなく軽いタイヤを作ってるって情報があって
一年くらい待ってたらやっと市販化されたんで淡路島対策に導入しました。

世間的にはチューブレスはクリンチャータイヤより重いと思われがちですが実際にはそんな事はありません。
例を挙げるとチューブレスのフュージョン3が実測310g、クリンチャーのプロ3は210g
しかしこれにチューブとリムテープで80~100g程度の重量増がありますのでほぼ同等です
しかしこのチューブレスライトは実測で240gと圧倒的に軽く、登りや平地でも体感できるので十分武器になります。
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軽さの秘密はタイヤ内部のチューブに相当する層が圧倒的に薄くなった事らしいですが、これだけ軽くできたって事はそれまで相当分厚かったんでしょうね。
軽さと薄さは持った瞬間わかるほど、タイヤ全体がしなやかになって拍子抜けするほどあっさり装着できてしまいました。
女の王子ですらラクラクだったんですがチューブレスは最初の敷居が高いのでこれは素晴らしいです。
とまあ乗る前からべた褒めですが問題点がないこともないです。

えーとね、高いんですよ、定価一本10500えん
安い所でも8000円とかレース用のクリンチャーが特価で前後揃っちゃうお値段ですよ。
そういやトップシークレットもウエパで買ってもやたら高かったよな。
まあタイヤとチューブ合わせて相当のお値段に加え普及率も低いんで仕方ないといえば仕方ないのですが
国産メーカーの製品なんで海外通販でお安く買える、なんて選択肢も皆無なんですよ。

どうするかなと思いつつ32t化のパーツ買う為にSANAにサインインして発注の用意してたらIRCタイヤの扱いが!
しかもまさかの四割引き、他のパーツと一緒に買うので送料は頭割りで相殺できます。
毎回思うけどこの店って儲けあるんだろうか?


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乗ってみた感想ですが踏み出した瞬間に圧倒的なタイヤの軽さを感じます。
平地での転がりが良くて登りを軽いギアでくるくる回す場面でも軽い。
荒い路面でも伝わる振動も柔らかくなっていますしコーナーでもタイヤ全体でグリップを稼ぐようなフィーリングを感じました。
軽量化でタイヤがしなやかになった事があらゆる面でプラスになってかなりの性能アップになってます。
タイヤは一般的にコンパウンド(ゴム)の性能でグリップするタイプと構造でグリップするタイプがありますが
このタイヤの場合薄くなりタイヤが変形しやすくなったことでしっかり路面を捉えてグリップが向上したのでしょう。
自分のバイクに装着したわけではないので限界特性なんかはわかりませんがこの軽さだけでも特筆に値しますね。

空気の抜けが速くて3日持たないって声もありますがラテックスタイヤ使ってたので全く気になりません。
というか車やバイクじゃあるまいし出発前の空気圧チェックしないで乗るとか信じられない。

小寺プロもハッチンソンのフュージョン3からの変更で登り平地ともに違いを感じたとの事。
乗り物全般でホイールやタイヤ等の軽量化は他の部分の10倍の効果があるとかないとか言われてます。
鵜呑みにするならここでの100gは1㎏の軽量化に相当しますので、金額的には一番効果の高い軽量化と言えます

ホイールと同じくタイヤも体重や走り方、フレームとの相性や個人の好みもあるので自分に合ったタイヤをすぐに探すのは難しいですが、まあそれも楽しみの内ですよね。
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そうそう、やたら高いチューブレスライトですがSANAのニュースによるとIRCの米ぬかタイヤこと
フォーミュラプロRBCC TUBELESSがモデルチェンジで250gとチューブレスライトと殆ど遜色のない重量になったらしいです。
FORMULA-PRO-RBCC-TUBELESS-822[1]クリックで画像拡大
RBCCはライスブランセラミック、つまり米ぬかから作られたスパイク状のセラミックをタイヤゴムのコンパウンド(混合体)に混ぜてあるのです、ネタじゃなく本当に。

お値段も一本あたり2000円近く安いのでチューブレスライトの欠点を大幅につぶしてきました、米ぬかスパイクの効果の程は賛否両論ですが先代のトップシークレットはウェット路面のグリップが弱点だったらしいのでお値段ともども試す価値はあるかも、チューブレスライトとの比較が知りたいところです

ただし、モデルチェンジ版か否かは分かりにくいので在庫回転の速いSANAあたりできちんと確認して買ってください。
会員認証が必要だったり敷居は高いですがそれに見合うメリットは十分ありますよ。

困った

はてなブログが想像以上に使いにくい
FC2の記事をコピペするだけで持って行けた時は感動したけど肝心の記事が致命的に書きにくい
どれぐらい書きにくいってはてなで書くよりFC2で書いた後にはてなにコピペしたほうが快適なレベル

チェーンとタイヤの記事書き終えてるのに画像のアップ遅すぎて壊れてるのかと思った。
これじゃ二重ブログだよ、どうしたものか、、。

ロードバイク 32t化のススメ

最近の完成車はすっかりコンパクトクランクが標準装備ですがここ数年はさらに進んでリア28t標準装備も増えてきました。
こないだまで周囲でで唯一のノーマルクランクユーザーだった身としてはなんとも羨ましい話なんですがそれでも苦手な人にとって登りは苦行です。
もともとの得手不得手はもちろん、女性や最近ロードバイクを始めた人にとって登りを克服するのは大きなテーマ。
メーカーもそんな現状を意識したのかシマノは新型ティアグラの4600系にリアに30tを投入してきました。

距離を走る場合登りが苦手な人が陥りやすいのは登りの度に体力を消耗して後半失速するパターン。
こういう場合、多少ペースが落ちても軽いギアで足への負担を減らした方がアベレージを維持できて全体的に速いです。
最近のこういう流れを軟弱と捉える向きもあるでしょうが、道具として考えるならホイールの一件でもわかる様に悪戯に理想を追求するよりその人の今に一番合った物を使う方が武器になると思います。
それで登りが好きになって速く登りたいと望むならその先は努力すればいいだけの話ですし。

さて本題
初回の2010年から淡路島ロングライドに参加してまして、もはや恒例行事となった感があります。
このイベント実は要所要所にそこそこの登り区間が点在してまして、初回時はそんな事と知らずに気楽に参加した参加者達で皆死屍累、道路の左側は自転車を押し歩く人達で溢れさながら死者の行列のような様相で、後半の土砂降りと相まってサイクリング気分の参加者さん達の姿はちょっとした地獄絵図に。
幸い自分は割と登りが得意な方なんで坂ではボランティアのスタッフさん以外に抜かれることも無く、ちょっと速くなったみたいで気分良かったんですが後半泣きながら登ってる女の人とか居ててなんだか申し訳ない気分になったり。
その影響か初年度はママチャリや小径車なんかの非スポーツ自転車がかなり多かったのが翌年はほぼロード一色でした。
小寺プロ4
イケメンは上りが苦手らしい。
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身長の低い王子はアルテグラ改造の超ショートクランク(143mm)なのでトルクが掛けにくく登りは苦手
二人ともきつい坂は押してたらしくてかなり苦労してました。

2011年は参加メンバーが倍の6名に増えたんですが半数の3名が坂苦手なので対策を考えました。
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まずあうるさんのコラテックから
スプロケは25tで付いてるディレイラーはアームの短いショートケージのRD-5600SS
試しに王子の28tを入れてみたらギリギリ動いたので採用。
ただし、アームが短いのでアウター×ロー(この場合フロント50t×リア28t)はアームが伸びきってしまうので厳禁。


続いて知人と王子の対策ですが前回既に二人とも28tで坂によっては押して歩いてたので更なる対策が必要。
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ティアグラの30t使おうかと思いましたが登りの2tってギア一枚軽くした程度の変化ですよね。
押して歩く様な状態でのギア一枚分は失速して転ぶ寸前なのがフラフラになりながらなんとか踏める様になったって程度でこれでは楽と感じる程の違いにはならないはず。
楽に登るならせめてギア二枚分位の変化は欲しいけどトリプルは日常では変速等デメリットが多いので避けたい所。
sram-pg1050-10sp-cassette-440g-b1[1]
そこで白羽が立ったのがこれ、SRAMの新コンポAPEX用の32tスプロケ
SRAMならシマノと互換性があるので行けますが問題はディレイラー、ワイヤーの引き量がシマノと違うので互換性なし。
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新型ティアグラは最大30tだけどRD-5600の件で多少余裕があるのは分かってるんで2t位なら使えます。
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これで行くかーと思ってたら面白いものを発見、シマノがこっそり出した30t対応の105のリアディレイラーらしい。
従来のと比べてスラント角が変更されてて30tでも大丈夫なんだと。
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引用画像ですがこんなところに対応の刻印がコッソリ、聞けば従来品と入れ替えらしくて在庫の動かない店だと入手出来ないとか。
型番もRD-5700からコッソリRD-5700「A」と地味にマイナーチェンジ
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スラント角って何ぞやって話ですがここでまた引用するとこうなります
上の画像は小さなギアと大きなギアの刃先を結ぶ線の違いを比較したものなのは何となくわかると思います。
変速時リアディレイラーはこの直線の上を移動してチェーンを載せ替える訳ですがこの角度の事をスラント角と言います。
小さなギアに対応したスラント角のディレイラーだと大きなギアの場合ディレイラーとギアが衝突してしまうのです。
じゃあ最初からスラント角大きくしとけやって事なんですができる限り近いほうが変速効率がいいので小さいギアを使うロードの場合、スラント角の小さく設計した方が効率がいいわけです。
効率を無視すればこの場合大は小を兼ねるので大きなスラント角で小さなギアを変速させることはもちろん可能です。
105-5700260-300x195[1]
でこの5700Aですがプーリケージの短いSSと長いGSタイプがあるのですが、GSとの違いは10gほどの重量差程度。
厳密にいえばケージの短い方が変速面でわずかに有利らしいですがほとんど誤差の範囲。
重量なんて特大のギア選択してる段階で気にする程の差ではないし、コンパクトクランクでもアウター×ローが使えるGSの方が変速の許容範囲が広い訳で、両者30t対応なんですがGSを選択しました。
いざとなりゃケージのパーツだけ変えればいいしね。

SRAMスプロケですが当時日本で買うと代理店がジャイアントな大人の事情でえらいお値段でしたのでCRCから購入しました。
このPG1050、ロード用とMTB用でラスト三枚のギア比がえらい違ってMTB用の方がまともだったんでそっちを選びました
今はロード用もまともなギア比になってましたが当時はたしか25からいきなり32に飛ぶような凄い仕様だったはず。
送ってきたのは箱の無いパソコンでいうバルク版みたいな袋だけのパッケージ
二つ買った内の一つの袋が破れてて11tのスプロケが欠品してたんですがもともと大きい三枚以外は変速性能的な意味でシマノスプロケとミックスで組む予定だったので問題なし。

それでも一応CRCに連絡したら良品送ってくれて欠品スプロケは返却不要とのこと、スペアが一つ増えましたよありがたや。
スプロケが変わったのでチェーンをKCNCのX-10SLに変更しましたがこれの話は別の機会に。
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シマノスプロケとミックスして組立完了、スプロケでけえw
実はこのバイク去年盗難されてしまいました、人様のですが整備担当してたんで愛着もあったし我が家のパーツも結構ついてたので未だにショック、盗む奴が一番悪いんですが大事なバイクから離れる時は最低限地球ロック等の防犯対策はしましょう、乗り手の防犯意識って大切です。
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使う状況はほぼ無いと思いますがアウター×トップだとこうなります、二台とも同じタイヤですがこれもまたいずれ。
使った効果ですがやはりギア二枚分の違いは絶大で、坂で一度も足をつかず

足の消耗が少なかったので32tを使わない状況もあったとかでほぼ狙い通りの結果となりました。


むしろ今回は例の不良リムで走った自分の登りが練習不足も重なり絶不調でストレス溜まる展開でしたw
この32t化は好評で翌年は更なる性能向上を狙ってパーツを一新して更なる改造も加えたりするんですが毎度長くなりそうなので次回のネタにしたいと思います。

手組ホイールリベンジ2 中華カーボン38ミリ編

すいません、今回調子に乗りすぎてまた長いです、去年の夏頃のネタです。
艦長から依頼のクリンチャーが完成したので、一年近く放置中だった自分のホイールと言う現実と向き合います。
改めてネックなのがスポーク長の制限とそれに伴うリムの選択肢。
いくらスポークが高いつっても1万ちょいなんだから捨ててちゃんとしたリム選べよって話なんですが低コスパホイールの人柱として作ってるのにそんなホイホイとコストかけてらんないし、そうやって選んだリムが失敗だったら今度は目も当てられない。

そういやなんでスポークが使えないのか分からないメンバーも居ると思うんで、理由を説明しますね。
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左側が通常タイプのニップルで右側がインターナル(内蔵)ニップル
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ノーマルニップルはこんな風に穴からニップルの先端が露出してるのに対して。
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インターナルはニップルがリムの内部にあるためスポーク穴しか露出しません
つまりインターナルの方が計算上少し長いスポークが必要なんですよ
ノーマルだとニップルが露出する分ネジの位置が5ミリ近く中心に寄ってくるので短めのスポークが必要になります
素人が組むにはメリットが多かったんで採用したけど、結果それに今首を絞められてるのはなんとも皮肉。

メリットについてはニップルが外に出てこないのでスポークの入る小さな穴を開けるだけで済む。
大きな穴に比べて引っ張る力に対する強度が上がるので、ニップルを強く締めても割れにくくスポークテンションを上げ易い。
そしてもう一点、ノーマルに比べてニップルの強度もあるし締めやすい形状なんで作業しやすく破損のリスクが低い。
欠点としてはタイヤを外さないとニップル調整が出来ないので、チューブラーなんかだと完全にタイヤを剥がさないと駄目。

てな具合にいい所尽くめだし小さい穴開けるだけなんだからドリル替えりゃ出来るだろと思うんだけどなかなかやってる所は少なくアリババでもなかなか見かけない。

アリババだと会社は複数名だけど実態は同じ会社なんて事もあったし、飛びついてハズレ引くのは正直もう避けたい。
重くてひたすら頑丈な代わりにハズレが無いと言えば前回ちらっと触れた台湾のギガンテックスのリム
ここは自社の完組ホイールをEQUINOXって名前で売ってるけどOEMの倍位の価格がするし、リムの小売はやってない。
有名な話TNIのカーボンリムはギガンテックスにシール貼っただけなんだけど、前回のハブ屋で買うのと比較すると価格が高い。
ギガンテックスのインターナル仕様って他にもどっかー小売やってたハズ、と思い出したのはプラネットX
ここはギガンテックスのOEMホイールを自社ブランドで売ってて、確かリムも売ってたなと思ったらやっぱり置いてた
ギガンテックスのリムは貼ってるシールに特徴ありすぎるんですぐに見分けがつくんですよ。

このリムが仮にインターナル仕様でもギガンテックスのリムはニップル周辺の補強の厚さが5ミリもあるんで、実際今のスポーク長が使えるのかはまだ結論が出ない
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2つ目の問題点はプラネットXって商品ロゴ、ご丁寧にシールの上にクリア拭いてあるんでクリア削る覚悟じゃないとはがせない。もうちょっと気の利いたロゴなら喜んでそのまま使うんだが、、。
無地のフロント用リムは穴数が16本なんで俺の20本用のハブでは使えない
加えてここの完組ホイールはインターナル仕様なんだが一般向けに売るリムは一般的なノーマルニップルである可能性が高い。

悩んでても仕方ないので問い合わせしようとしたんだが、ここの連絡はメールフォームが存在するのみ。
質問が通じなかった場合の引用返信も受け付けないし毎回担当が変わると言う最悪な仕組み。
案の定まともな答えは帰ってこないし、引用して聞いても新規質問以外は放置されるんで話にならない。
悪い評判もあまり聞かないのはどうやらみんなオーダーフォームからテンプレ通りの買い物しかしてないっぽい。
表記されてるリムの寸法(ERD)もちょっと怪しいし、重量的にハンデ大きいんで諦めた。

ならばアリババジャパンで日本語オッケーの所はどうかなと思ってリムやらゴルフクラブ作ってる会社に問い合わせたけどインターナルは扱いが皆無
ちなみにここの会社の担当の女性がT1000の件をきっと嘘ですよ日本語で教えてくれたり、こちらは買うもの無くてもチャットにあらわれて色々話を聞かせてくれた
しばらく連絡もなかったが去年の秋頃に私を覚えていますか?実は会社を辞めることになりましたって連絡が来たので
覚えていますよ、色々親切にしてくれてありがとう、お元気で頑張ってくださいねと返信したら、
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わざわざ本人と子供さんの写真送ってくれてなんか暖かい気持ちになったのを今思い出した、ポワワ。
国も人間的にも問題ある場合もあるけど、こういう人だって居るわけですよ。

脱線したけどフレーム購入で取引した3社にも聞いたがインターナル仕様は無し、との事。
これはマズイなと手組ホイール計画初期の頃に問い合わせしたyhishunbikeのホームページを見ると
エアロ効果が高いと最近流行のワイドリムを発見、しかも50ミリ、これがインターナルなら即採用だ
期待を込めて問い合わせしたが返ってきたお答えはある意味期待通りのインターナル仕様は無いとのレス。
いよいよスポーク捨てるかーと諦めながら考えてた時に、ロングニップルが使えるかもと思いついた。
ちょっと計算して見るとロングニップル使って38ミリのリムならイケルかも知れないとの結論に至る。

元々前回も最初は重量とハイトのバランス考えて38ミリにする予定だったし、38ミリのリムなら前回の不良リムに比べて重量的な差が殆ど無い。
開きっぱなしのyishunのホームページから38ミリチューブラーのページを見るとそこにはbasalt brake surfaceの文字が!
バサルトってのは玄武岩の事でコレで作られた繊維は耐熱性に優れています
カーボンリムの弱点の一つにブレーキ時の熱問題があり、昔はカーボンを固めているエポキシが80度程度の低い温度にしか耐える事が出来なかった為、ダウンヒルの様なブレーキをかけっぱなしの状態で発生する熱でエポキシが軟化してしまい結果変形してしまうと言った事例が頻発したらしい。
今のエポキシは耐熱性が大幅に向上されているのでここまで酷くは無いけれどアルミリムに比べれば熱に対して弱い。
BOMAのホイールの売りの一つにバサルトファイバーってのがあって、コレはブレーキ面にバサルト繊維を貼ることで熱変形を防ぐ工夫なんだけど、BOMAの中の人に以前聞いたらBOMAはカーボン繊維の商社でBOMAがこの繊維の技術協力をしたのでギガンテックスのリムは耐熱性がある、と言っていた。
とは言えバサルトファイバーは調べれば他の分野でも普通に使われてるので特許って程の技術でもない
しかし中華リムでブレーキ面にバサルトを貼ってる事を売りにしたリムを見たのはコレが初めて
バサルトファイバー自体中国でも生産されているので前回のT1000カーボンみたいに詐欺じゃねえのと疑心暗鬼になる事もない。
元々下りでブレーキ当てたまま下るなんてブレーキシューも痛むから普段からやってないんで実際問題は少ない。
あ、でもどっかで体重3ケタ前後の人が峠の下りを延々ブレーキ握ったまま下ってENVEのリムを変形させた、なんて笑えない事例もあったんで付いてないより付いてる方が嬉しい。

早速先日問い合わせた担当にチャットで詳細なERDを問い合わせて改めて計算、ロングニップルでギリギリな感じ。
コレでスポークが駄目ならその時はスポーク捨てればいいやと開き直った感じでリムを発注。
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中華カーボンの工場は香港と台湾に程近い所なんで大抵一週間足らずで届きます。
今回も翌週には届いたんで早速開梱して重量計測、ちゃんとホームページで見た数値の範囲だ、素晴らしい。
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ブレーキ面を指で触って確認したけどちゃんと平面出てます
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肩も気泡なし、ちゃんとエッジの形状でてて手で削ったような痕跡も無し。
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というか前回のこのリムが色々と酷すぎた。
今回のリムでこんな状態だったらすぐに穴あいてるの分かるから返品の山だったと思われ。
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やっとまともなリムが届いたっぽいのでホイールを組む事にします。
スポークプレップを取り出して。
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塗ります、コレ塗って乾かすととスポークを再調整する際ニップルの固着を防げるので便利です。
スポーク長の間違えを防ぐ為に色違いのプレップがセットになってます、コレも国内だと入手難な場合があったり単色一つでセット価格よりお値段高かったりするので海外から取り寄せました。
乾かすと組む時にちょっと締めにくくなるんで俺は使う前にもう一度薄塗りしたり潤滑剤を併用したりしてます。
前回竹櫛で差し込んでたニップルは、フレーム修理でお世話になったビルダーさんのアドバイスで自作工具作りました
まあぶっちゃけ千枚通しの先加工しただけなんですけどねw
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ハブは前回のBIKEhubstoreで購入した台湾のDATIです。
超軽量なんで人柱として購入したんですがベアリングは国産のEZO製で作りも結構キレイです。
前回組んだ時に不具合は感じませんでしたが、距離乗ってないので正確な評価はまだ良くわかってません。
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仮組みを済ませてスポークを張っていきます
実はCX-rayを採用したのには性能以外の理由がありまして。
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それがコレ、エアロスポーク用のスポークキー。
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こんな風に使うんですが、こうやってスポークをくわえてやるとテンションを上げる過程でニップルを締め込んだ時ににスポークが捻れるのを防ぐ事が出来ます。
コレが普通の丸いスポークだと締めれば締めるほどスポークはねじれて、それを馴染ませる為にスポークを横から踏んだりしてねじれを開放してやる作業が必須でその技術にも腕の善し悪しがあると聞いてました
それでも組み上げて走りだした時にスポークに力が掛かることで残っていたねじりが開放されてキンキンと音がするとか。

手組ホイールを組もうと思い立った2年前、素人ながらになんで道具でスポーク掴んでねじれを抑えるって発想が無いの?
バイスプライヤーとか使えばいいのに、馬鹿なの?アホなの?と先人様に対して失礼な事を思ってたんですが、様々なホイール組みの指南を紐解いてもそういった記述も見当たらず、素人考えで実際には問題があるのかなと思いながらパークツールの工具が安いジェンソンUSAとかアメリカのサイトで振れ取り台やらホイール用の道具を見てたらこんな物を発見しました
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こんなの、リンク先のと色は違いますがどうやらコレで丸スポークを掴んでねじれを抑えようってんですね、賢い
しかしプロ向けの工具なのか結構なお値段しやがりますね。
なんで今までこんなのなかったのかなー?と思ってたら徐々に違和感を感じたので自転車用工具を検索してみた。
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そうそう、コレコレ
ブレーキワイヤー張る際の便利工具のホーザンのインナーワイヤープライヤーにソックリ。
ホーザンがOEMで作ってんのかな?
5072399166_2ecc44aa82_z[1]
気になってきたんで「Twist-Resist」で画像検索したら海外で比較画像見つけたのでちょっと考察
ブレーキ用の工具では無いのでワイヤープライヤーにある部分が切り飛ばしてあって細かい部分にも少し違いがある。
あー、なるほどー。
考察終了、これOEMじゃなくてショップがプライベートでワイヤープライヤーを改造して作った工具ですね。
画像の部分を切断するために左側ののカシメを飛ばして、固定用のスプリングのテンションを上げるために穴の位置を変えてあります、おそらくスポークを適切な強さでしっかりロックする為の工夫で、バイスプライヤーの掴み調整的な改造なのだと思います(追記、よく見るとロック機構ないかも)、カシメ部分がネジに置き換わってますがOEMなら全部カシメて作るはずだしHOZANの刻印の部分をステッカーで隠したりしません
今出回ってる製品のグリップの色が変わってるのは多少の配慮なのかな?グリップ部分も実際の作業を考えて使い易くする為短くカットしてから曲げてあるんですが、一番上の画像と見比べると同じ製品でも曲げ方に細かい改良を加えてる様で色々考えられた品なのが分かります。
と言うかコレを思いついたこの人が素直に賢いし、改造の手間とアイデアの対価と考えればこの金額で売っても妥当。

元のワイヤープライヤーが安いのでネジ買ってきて後はサンダーとドリルがあれば簡単に自作出来ますね。
多少こういう作業やってる人ならちょっと考えれば似たような道具を簡単に流用して作れると思います。
バイスプライヤーを持ってる人なら一番楽でしょう。ウチの親が彫金関係の仕事やってて万力で品物に傷付けない様に銅や真鍮の板挟んでたんで、スポークもバイスプライヤーの先端に薄い銅板はさめばしっかり掴めるはず。
銅板に彫込みいれればモアベター
しまった、黙って似たような物作ればニッチな小遣い稼ぎやら秘密のテクニックって事で悦にも浸れたかもw
所詮俺程度の素人が思いつく程度の浅知恵でドヤ顔しても底の浅さが露呈するだけなのでやめーw
趣味人同士知識は共有したほうが有益ですよね、使えそうなら試してみて下さい。




あかん、盛大に脱線した、この手の話は長くなっていかんw
丸スポークだとこういう工夫が必要なんですが、エアロスポークだとスポークキーだけで一発解決というか必須
昔どこかでスポークキーを使わなかったのか、リボンの様にねじれたCX-rayを見た事がありますが薄いスポークなんでキー使わなきゃ組める気がしない。

素人が玄人と腕の差を埋めようとしたら道具と工夫しかありません、対等な条件だとお話にならない。
エアロスポーク選んだのは効果作業性を兼ねての事です。

前回の艦長のホイールの時に実感したけど改めてノーマルニップルは組みにくいと痛感。
原因の数割は素人のノウハウ不足による部分なんですが、組みにくい。
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左ノーマル、右インターナル
インターナルが肉厚しっかりで力もかかりやすい形状なのに対してノーマルの肉厚の薄さと掴み代の小ささと言ったら、、
真鍮ニップルなら多少は強いんでしょうが掴み代は一緒なんで乱暴に力掛けてニップルナメたらゲーム終了です。
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技術不足を道具で補いたいのですが、世間の評判を聞くとパークツールのこのレンチほぼ一択という風潮
四面キャッチしてくれるからテンション上げても大丈夫って話なんで選んだんですが。
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精度は確かに高くてしっかり垂直に差し込まないと挿せないし抜けない程でニップルをガッチリ掴んでくれます
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ですがレンチがこちら向きになると上のアーチ部分が干渉して工具が斜めになって抜けない、テンションが上がってくると真反対の位置でしか差し込めないので10分の1回転など細かくテンションを上げていく様な状況でニップルが正確に差さる位置じゃない場合などは力を入れるのが困難だし、逆に差せても抜けない状況が頻発。
でもって掴む部分の形が悪いんでテンション上がってくると力が入れにくい。
作業が進む程作業性が落ちる専門工具なんて考えられないんだが世間では本当に評価が高い。
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こんなことならこっち買っておけば良かった、これなら指に力入れやすいし上の部分が干渉しないから作業性は高いはず。
世間のレビューって無視してこっぴどい目に合う場合もあるけどこういう物の場合使ってる人の技術や作業する基準が判断できないんで判断に悩む、それに例えこの工具を使ったとしてもですね。
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工具の上の部分が干渉するのでスポークキーで抑える位置が離れる。
この位置が上がるとテンションが上がって締め込みが強くなるほどスポークがねじれてしまって締め込む力が逃げる。
同じ箇所で固定してもエアロスポークは薄い分捻れにたいして力が逃げやすい。
あまりにお粗末なんでもう一度言います、馬鹿なの?アホなの?
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インターナルの場合だとこうなります
反対側からレンチを差しこむんでスポークキーをエアロ加工がしてあるギリギリの部分まで近づけて掴めるから捻れの影響が少ない、トーションバースプリングと同じ効果です
スポークキーの下にぶら下がってるのはシマノの完組に付いてくるスポークレンチでサイズが違うので使えません。
ですがこのタイプのレンチならスポークキーとレンチの位置を更に近づけて力を逃さないので作業性は上がるはず。
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という理由でノーマルニップルで作業するならこういうタイプのレンチとか力も掛けやすいし一番理にかなってると思う訳です
コレで四面掴みのしっかりした作りの奴があれば一番いいと思うんですが見当たりません、やはり素人考えで分からない高度な理由があるんでしょうかね?
もっと贅沢いうならインターナルみたいに使える、ねじ切り用のダイスに近い奴を作ってくれないかなと。
艦長のホイールもいずれ再調整する日が来るんでしょうが力を入れづらいので正直怖い。

捻れの問題はあるけれどウサ耳型で注意深く作業すべきか、メガネレンチ型を探すべきか、、、。

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上の考察は作業の完了後の感想なんで、実はホイールは組み上がってます
作業経験が少ないんで経験から来るコツやニップルが潰れる限界なんかも掴みにくいのでとにかく慎重に作業
組立作業はインターナルの方が道具的なストレスが無い分圧倒的に楽でした。
まあとりあえず重量計測。
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38ミリなんで前の中華リムに対してプラス5gとほぼ誤差の範囲で収まりました
後輪は両側クロスなんですがスポーク長がギリギリでなんとか組めた感じです。
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ひとまずタイヤ貼って試走しますかね。
タイヤは身分不相応にVELOFLEXエクストリームです
走った感想なんですが、前回のホイール同様とにかく乗り味は軽いんですが、なんかピンとこない。
ペダル回してると明確に軽いし今回はスポーク張ってるので踏み込んでも不安無く速度も上がる。
でも何か軽いだけで感覚的に良いと感じない、端的に表現すると乗ってて楽しくない。
王子にも試してもらったけど「シャマルの方がいい。」とバッサリ。
正直重量的な部分差し引いても艦長に組んだホイールのほうが乗った瞬間から楽しかった。
ぐぬぬ、コレは良くない、非常に良くない。
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素人考えのない知恵絞ってたどり着いた結論はスポークレイアウトから来る剛性過多。
艦長のハブはストレートプルで反フリー側がラジアル限定だったんですが俺のホイールは両側クロス
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これはホイール組みを計画した際少しでもしっかり組もうという思いから中華リム使ってると噂でかつ丈夫だとそのころ評判だったFFWDが両側クロスだったので参考にしたと言うのが理由。
この頃はとにかく手組からZIPPにLightweightまでありとあらゆるホイールの知識を片っ端から調べまくって
自分の条件で一番性能のいいホイールを作るって条件で全てのパーツとレイアウトに至るまで考えての結果。
肝心のリムが使い物にならなかったのはご覧の通りだけどリムを変えてもフィーリングが変わらないとなると次に考えられるのはスポークレイアウト。
そういえばショップの試乗会やらでENVEで組んだホイールやマッドファイバー、果てはLightweightより軽いと噂のReynoldsのRZRまで使わせて貰った事があるけれど、いわゆるハイエンドホイールの中には前回のホイールの様に軽いししっかりしてるけどピンと来ないホイールが結構あった。
そういえば今も某メーカーに居るホイール組みの神様の話をしてくれた人が、作業を見せてくれた時に女の人に組むホイールは柔らかく組んでるんですよと言っていたのをふと思い出した。
もしかするとこのホイールも片側をラジアル組みにした方がいいのかも知れない。
そう考えると、いよいよもって後輪のスポーク捨てなきゃならんのか
このまま使ってもスポーク長に不安もあったし、なにより使う気にあまりならない。
仕方ないので片側ラジアルで計算しなおしてみるとなんと今のスポークを左右反対に使うとドンピシャのサイズと判明
なんという偶然なのか、ロングニップル使わないサイズで完全に一致。

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早速分解してやり直し
仮組み終了後にスポークのクロスの向き間違えるの発覚してやり直したのはご愛嬌。
フロントにも言えるけどラジアル組みの時にスポーク反対側に出すとワイドフランジと同じ効果があるんで採用すべきか悩んだけど、この時は工具が干渉して作業性が悪くなるんで不採用としました。
剛性過多かもって考えてた矢先だったし、工具の問題が解決したら組み直しも視野に入れます。
その際はノーマルニップルの後部がインターナルのような形状になってるニップルがSAPIMやDTから出てるんで評判が良かったら換装すれば、作業性は大幅に上がるはず。
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ラジアルに張り替えて完成。
片側ラジアルはなんか見た目に違和感あるけどいずれ慣れるでしょ。
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1グラムの軽量化に成功しましたw
ニップルが2ミリ短くなったんで多少変化あるかなと思ったけど、まあこんなモンです。
早速タイヤ貼って一回りして来ましたが結果は大当たり、別物かと思うほどにフィーリングが良くなりました。
踏んでも回しても気持ちよくスピードが乗るし、バイクを振っても不安なく速度が伸びるようなフィーリングで楽しい。
巡航時も軽いのに妙に疲れる前の感じは無く速度の維持も楽。
ブレーキも十三峠登って葡萄坂下ったりしましたが今の所ブレーキ面に変化もなく日常全く不安ありません
シューは発熱が多いって噂のSwissstopのイエローですがこちらも問題なく効いてます
メーカー担当から問題ないから使っていいよ聞いてたけど少し心配だったんでw

レイアウト一つでこんなに変わるかと思ったけど、よく考えたらFFWDってオランダの会社なんですよね。
身長190センチがゴロゴロ居るような巨人の国の製品を基準に考えたのがそもそも間違ってた。
そりゃ巨人が踏んでも大丈夫なホイールなんだからレースやってる人やプロの評判がいい訳だ。

俺はクリテリウムなんかでガシガシ踏み倒す剛脚さんとは使い方も体重もぜんぜん違う。
そもそもフレームにしたって踏み込んで伸びる様なタイプが好きだし値段の張るハイエンドホイールより無印R-SYSの少ししなる様なフィーリングの方が楽しかった。
スポークレイアウト以外ほぼ同じのレーシング0とシャマルでも若干マイルドなシャマルの方が好印象だった。
最高性能ってのは人によってやはり違うというのを身を持って実感しました。
そう考えるとマニアがよくやる最強ホイールの考察ってのは結構無意味なのかも知れない
結局のトコロ単なる軽量、高剛性の追求に過ぎないから現状前パーツ専用設計で構造考えられる完組ホイールの方が理にかなってる部分があって究極的にはハブ全体やスポークにカーボンを使ってリムに負担を掛けない構造で軽さと剛性を突き詰めたLightweightみたいなホイールに行き着いてしまう
このホイールの持つ最高の軽さの恩恵は万人が受けることは出来るだろうが他のレース向けホイール達がそうであるように過剰な剛性については軽い体重や未曾有のパワーを持ち合わせてない人間にはかえってマイナスになる。

ならば軽さと強度は維持しながら、その人が最高だと思える感触を生む剛性感や要求性能、贅沢を言うなら日常不安なく使える耐久性やコストを追求する事こそ最高のホイールの条件なのかもしれない。
幸いチャリ部には体重3桁のおデブさんもスプリントで70キロに届かんばかりのマッスルモンスターは居ませんw
この一連の経験で低コストで軽量ホイール作る事に関して技術はともかく知識的なノウハウは得られたと思います。
次に作る機会があれば作業的な面やその人に合った剛性感について追求したいですね。
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OAYKATAがリムに貼るステッカー作ってくれました、おかげでショップで売ってるホイールの様です、大感謝。
元ネタは分かる人だけ分かって下さい、こういうのは控えめにやるのがいいんでw

手組ホイールリベンジ XR200でクリンチャー編

やたら長い記事が続きますが過去ネタのまとめなのでご勘弁くだされ。 ちなみに昨年の春から夏ごろのお話。

前回の粗悪中華カーボンリムに翻弄され、残ったのはスポークとハブ、そして振れ取り台や専用工具の数々。
その内素晴らしいリムを見つけ出してやろうと心に誓いながらチャリ部員のバイク弄りに精を出す日々。
前回のフレーム発注の際にアリババ覗いたり思い出したようにリムを探す訳ですがコレが中々見つからない。
50ミリのリム自体は世に溢れかえってるんですがインターナルとなるともう少ないのなんの。
スポークCX-RAY買ったのにろくろくテンションも上げないまま一回で廃棄するなんて流石にもったいなさ過ぎ。

ぐぬぬと悩んでたらこちらも完成車のDTホイールの重量に悩んでた艦長からホイールの相談が。
登りでアドバンテージになって不安の少ないホイールって事で当初完組の方向でシマノのC24とかRS80、果てはキシリウムからR-SYSまで色々と検討。
それなら手組まで視野に入れてみるかって話になったんだけどここから先がなかなかの難産。

前回組んだ50ミリハイトは踏み出しはやたら軽かったのとハイト高いからルックスは良かったけどチューブラーは緊急時はクリンチャーより若干敷居が高い。なら重量増を覚悟で頑丈さに定評のあるギガンテックス製クリンチャーも視野に入れたけどアルミリムと比較するとブレーキや扱いに不安ありとの事で見送り。
カーボンカウル付きアルミリムなら気楽で見栄えもいいけどが重すぎて意味が無い。
ならばチューブレスと行きたいがNOTUBEのリムはシーラント必須の上に未だ評価が真っ二つ。
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そんなこんなと迷走するうちにそれならこういう方向性はどうだろう?と前から部員用にアイデア暖めてたKINRINのXR-200を使った低コストの軽量ホイールのアイデアを話してみた。

XR-200ならリム前後で700グラム前後と他のアルミリムに比べてかなり軽量な上に作りも悪くない。
加えて一本3000円程度と驚異的にコスパがいい上にクリンチャーなんで扱いも簡単。
安かろう悪かろうって類のリムでは決して無いので安心して使えるはず。
コレにそこそこ軽くて日本のEZO製ベアリングで回転性能も良くて安いノバテックのハブにプレーンなりバテッドの安めのスポークで組めばRS80やらC24位の重量のホイールなら2~3諭吉位で組めるよーと提案してみる。
この重量なら十分登りで効果あるし、ブレーキやタイヤの扱いも同じ、なにより構成パーツがどれも安いので破損時にも財布に優しいから気楽に扱える。
使ってて満足出来なくなったら今度は踏み込んでカーボンリムやチューブラー、又は完組みホイールを視野に入れればいい。

本人も乗り気になってくれたんでリム以外のパーツについて説明しながら打ち合わせを重ねる。
この時点での構想では黒いハブにプレーンスポークの至って地味なホイールを頭に描いていたんだが、ノバテックのハブを探してる過程で見つけたTOKENのセラミックハブに艦長が激しく興味を示す。
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レッドアルマイトにカーボン、そしてティラミック(セラミックにチタンコーティングらしい)ベアリング
これ、凄く厨二臭いです。
色々と調べたら国内で扱いが無い上にベアリングが特殊なので台湾から仕入れてもそこそこいいお値段しやがります。
TOKEN自体もBBやらが精度に難ありとか製品の評価が割と真っ二つなメーカーなんで悩ましい限り。
個人的には組んだらフリーの赤は隠れるし、フランジの端がアルミの地色なんで組んだらちょっとおとなしいかもって印象。
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アルマイトならノバテックも赤いのあるんで提案したがベアリングの厨二度でTOKEN優勢らしい。
更に俺が組んだ時に使ったCX-rayってスポークが気に入ったらしく出来れば黒い奴を採用したいとのこと。
CX-rayについて部員用に細かい部分すっ飛ばして簡単に言うとステンレス製の超軽量エアロスポーク
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一件細い只のスポークだけど
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エアロ加工がしてあってペラッペラ
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スポーク単体では最高のエアロ性能を誇り、他の軽量スポークに比べて圧倒的にスポーク切れに強く、切れたという話をほぼ聞かないといい所尽くめだけどお値段が普通のスポークの約10倍で手組用スポークとしては文句なしの最高級品。
日本で買うと一本500円、コレが前後で44本必要
一本三千円のリムにセラミックハブとCX-ray、なんという贅沢なチョイス。

そんな折にふと覗いたのが一昨年偶然発見してハブを注文したアメリカのbikehubstore.com
ここならXr-200もCX-rayも扱ってるから送料安上がり。
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ついでに良いハブ無いかなと商品見てたら出てきたのがこの厨二臭いハブ、前にアリババで見かけたけど台湾製らしい。
ざっくり仕様について読んでみるとTOKENのハブ同様カーボンボディ、更にスポークがストレートプル仕様でベアリングはセラミックベアリングで有名なアメリカのENDUROらしいが通常のスチールベアリング
メーカーもよくわからないしどうかなーと思ったんだけどとりあえず艦長に聞いてみた。
「完組みたいなストレートスポークだけどベアリングは普通に鉄、まあ将来交換出来んことも無いけど。」
「じゃあこっちの方が合計で注二度が上回りますな、素晴らしい」と想像通りの反応
だがストレートプルって事は普通のスポークが使えないのでストレート仕様のスポークの入手が絶対条件
「このハブどうよ?」と聞くと返った台詞は開口一番、「使ったこと無いからぶっちゃけよく分からん」
答えが正直過ぎて清々しさまで感じたが更に聞くと「カッコいいから仕入れたけど、作りは中々良い感じ」とのこと。
ハブボディは全部カーボンなのかアルミに貼っただけなのかと聞いたら翻訳できない表現で意思の疎通に手間取ったがフロントはカーボンボディ、リアはカーボン巻き?らしい。
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その後に図面送ってくれたけどリアはアルミのハブを真ん中でぶった切ってカーボンで繋いだ様な構造
これは表現が難しい訳だ。
ハブ屋のブランドン曰く手元の商品はちょっと訳ありでうっすら凹んでる部分があるらしく買うなら値引きしてくれるらしい。
わざわざ画像送ってくれたけど組んだら分からない程度。
しかしハブはストレートプル専用だからスポークが入手できないと話にならない。
CX-RAYのストレートは置いてないけど必要なら必要サイズ取り寄せてバラ売りするよ、との有難い申し出。
この手のスポークって基本まとめ買いなんでショップが不要な在庫抱えるってことなんだけどお言葉に甘えてブラックの値段を聞いてみたらお値段ノーマルと同じでオッケーとか信じられん言葉、ブランドンいい人過ぎて泣ける。
国内だとシルバーと黒の価格差だけで一本150円位違うけどここは18円位し差がありません。
前回は他の部品と一緒にドイツから買ったけど、今回ホイール部品一式ここから買うので送料掛かっても激しく安上がり。

迷惑ついでに自分のホイール候補にここが扱ってるギガンテックスのリムについて聞いてみた、ギガンテックスはOMEに注力してるのでホイールならBOMAやらあちこちでメーカーから買えるけどリム単体を個人レベルで入手するのはなかなか難しい、自分が知る限りでリム買えるのはこことプラネットX、それと日本のTNIだけ。
去年ここが扱ってたのはクリンチャーだったので断念してが今回チューブラーが新規入荷するらしい。

しかし詳しく聞くと今回仕入れたのはインターナルではなく通常ニップル仕様のリムらしくスポーク長が合わない、残念
色々買ってくれるし良かったら値引きするよってサクッと数十ドル値引き提示してくれたけど事情を説明して辞退
そもそも不良リム掴まされたのが原因だけど怪しい商品に飛びついたのも自分なんで責任の半分位は自業自得、ぐぬぬ

良ければチタン製のクイックも入荷したからついでに買わない?って画像送ってくれたので後日返事するよって事でお開き。arb.jpg
おお、このクイックはどっかで見たことあるな、というかウエパでセールやってたDixnaのやつにソックリだ、個人的には好きなデザインで艦長に打診したら「これは軽いし良いものですね」と即採用。
その日のうちにブランドンに連絡したら「すまん、あの訳ありハブ売れたから入荷まで二週間待ってくれ」ってんで暫く待機。
その後再入荷の連絡来たんで早速PayPalで支払い
内訳はリムが40ドル✕2 フロントハブ90ドル、リアが120ドル スポークが138ドル ニップル18ドル クイック45ドル
端数入れて計492ドルなんですが端っこにディスカウントとか書いてて合計438ドル+送料55ドルになってました
ジャストまとめ買いしてくれたしハブ売れちゃって待たせたから値引きしてくれたらしくほぼ4万ジャストでした。
ありがてえ、ありがてえ、当分アメリカに足向けて寝れねえ、当分夕食はハンバーガーとコーラにしよう。
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そんなこんなしてたらパーツ一式様がご到着。

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分解しないとスポーク組めない仕様なんで早速ハブを分解してみた。
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ボディ全体の削り出しはかなり凝った形状。
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フリーも綺麗な仕上がり。
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フロント側はこのシャフトを分解して
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ここからスポークを入れてキャップを被せる
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スポークがバラバラにならないのでステキ。
スポークの先端にスポークプレップが塗ってあります、コレも日本じゃ入手難な上高い。
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ニップルを差し込んで仮止め、工具は転がってた竹櫛
赤いニップルでって希望だったのでSAPIM製のアルミ、他のに比べると丈夫だって噂だけど妙に不良率が高い。
潰れてたり割れてたりしたのが3つも混じってて、スペアを使い果たすハメに。
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こんな具合にドンドンやっていきます、この作業はレンチ使えるインターナルの方が楽かも。
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仮留めが終わったら今度は全周まんべんなく仮締めして、ある程度しっかりしてきたら少しずつテンションを上げていくP1070385.jpg
噂通りリムの出来はなかなかのもの、ジョイント式なのにブレーキ面周辺もキレイ
下処理はニップル穴周辺を軽くさらった程度だけどほとんどカエリも出ず。
成形時の縦振れと思われる箇所が若干あるけれど許容範囲だし縦に硬いリムらしいので無理はしない方向に。
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後輪も組立て
前回は両側クロスだったけど今回はハブの構造上NDSはラジアル、左右のテンション差が結構ある
無闇に締め上げるのが怖いんで少し抑え目で組んで様子を観てもらうことに。
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組み上がったので重量計測、前輪575gP1070387.jpg
後輪702g
 合計1277g 
下手な完組より圧倒的に軽い。
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でもってクイックが44g
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引き渡す前に内緒でその辺に転がってた赤いカッティングシートをスポーク一本だけにペタリ
完組みたいにリムにステッカーも貼ってなくて地味な印象だったんで厨二度大幅アップ、剥がせば元に戻るしね。

引渡してみましたがやはりテンション低かったんで強めに貼り直し、どうも低すぎて空気入れて実装したら緩んできたっぽい
ストレートプルだし大丈夫なのかって事でテンション強めに上げて無事完成、怖かったけどニップルも無事でした。

でインプレなんですがやはり軽いの一言に尽きます、元のDTの完組と比べるとこんなに軽くて大丈夫かって位軽い。
元々艦長もシッティングで淡々と登るタイプで無茶しないし体重も軽いんで不具合も特になし。
今回はハブとスポークに大金注ぎ込んだけど重量維持したままもっと安くも作れるし、体重重い人や剛脚さんはスポーク数増やしてプレーン使うなりで対応出来そうなんで、中途半端な完組買うのがためらわれる程コスパのいいホイールが出来たと思います。
ストレートスポークについて欠点を一つだけ挙げるなら、アクシウムと同じように固定されていないので回転してしまう点。
回転して横を向いてしまってはせっかくのエアロスポークなのに意味がありません、今回のハブは割りとしっかりしてるみたいで今の所大丈夫ですが本音を言えばスポーク側に固定リブみたいなのが欲しかった。
その点に関しては普通のJベンドスポークは何も考えず組めるので気楽でいいです。

ちなみにXR-200とノバテックハブ、海外通販しなくてもTNIが自社のシール貼って売ってます、リムの穴数選べませんが、スポークも適当なバテッドの奴選べば国内で手軽に組めると思います、オススメ。

最新中華カーボンまとめて組んでみた。

最新と銘打ってますが年が明けたので去年の初頭から春先の話です。
去年は7月までに知り合いのロード7台組みました、月に1台のハイペース。
そのうち三台は組み換えですが四台が海外からフレーム仕入れて中華カーボンも組んでみたのでその話をチラリと。

まず一台目はサーベロS2、中華カーボンと言っといていきなりメーカー品ですw

製造は中国ですが仕上げが全く違うので中華カーボンとは呼べませんね

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サイクルモードで試乗する為に新潟から遠路はるばる大阪までいらっしゃいました。
東京の方が近いし規模も大きいのに何故?と思ったんですが日程の都合が付かなかったそうで。
聞けば新潟はロード扱ってる店が少なくてどこもお値段高めらしいです。
それならばこっちのほうが安いかもですよって事で寄ってたかってウエパやら大阪のショップを連れ回す
色々見てもらった結果こっちで組んで新潟に送ればかなり安く上がるんじゃね?との結論に。
海外メーカーによっては海外からフレーム引っ張ってくればかなり安く組める場合がありますよって話してたら
試乗しなかったけど実はサーベロが気になると聞いたんでならイギリスでセールやってる店知ってたので紹介して取り寄せました http://www.slanecycles.com

イギリスと言ってもウイグル獄長やCRCみたいに日本語使える所じゃないですが(今は多少使えるっぽい)、中国とのやり取りに比べたらハードル低いです、ちょっと前にキャットアイのV3をここから買ったんですがウチから車で30分位の距離の会社の製品をイギリスから買うのが一番安かったってのは正直どうよと?

コンポ一式はシマノの安いSANAに発注してこちらに送って貰い組んで新潟に送ろうかと考えたけど冬に送っても新潟は雪で乗れないのでせっかくだからメンテを覚えてもらう意味で雪解けを待ってこちらで一緒に組みましょうという事に。


サーベロ発注後にアリババ見てるとなんか面白そうなフレームが数台出まわってまして
面白そうなんで周囲に話持ちかけたら興味持ってくれたので注文する事に
中華は定番以外インプレが少ないので発注した順番でご紹介。
PayPalが使えないアリババのショッピングモールは使わず各メーカー担当と直接取引でオーダー掛けてます
どうやら前回のリムの件で翻訳ツールの打ち出す妙な英語に適応出来たらしく些細な冗談の投げ合いまで出来るようになりましたw
どのメーカーも品質は良く担当もこちらが失礼の無い様に質問すると驚くほど丁寧に接してくれました
やはりリムの一件考えると品質はメーカー次第って事ですね

まず1台目はMIRACLE MC-053
思えばメッセのやり取りで「面白いフレームあるよ」と言ったのがすべての始まり。
integrated-5.jpghttp://www.alibaba.com/product-gs/618540410/2012_new_bike_carbon_road_frame.html
ぶっちゃけスコットのFOILとよく似てます、ジオメトリもほぼ同じだけどシートポストの固定やらが違います
Non-ISP-4.jpg内部に台形臼状の板が入ってて、ボルトを締めると金具がスライドしてシートポストを前から固定します。
シートチューブの中にバッグ抜いた残りなのかよくわからない粘着質のスラッジみたいのが付着しててシートポストが上手く上下しないので除去に手間取りました
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発注したのは去年の年末でFOILがショップに出回る前だったんで前年のツール走ったFOILのプロトタイプを参考にしたのかも。
実際ツアーオブジャパンの会場でチームグリーンエッジのFOILに触れる機会があったんですが
フォークやらはFOILは見た目よりスリムというか案外普通なんで似てるけど中華のほうが迫力ある造形。
シートポストはISPも選択可能でしたがどれも専用のカーボン製エアロポストが付属してたんで全車ノーマルポストです。
BB30も選べましたが整備性が不安だったんで選択してません
初期ロットは540のみだったのでオーダーした520は2ヶ月掛かりました、UD、3k、12kも選択可
数をまとめて作るらしく一番届くのが早い3kをマットで
価格は新規キャンペーン中だったので480ドル、ヘッドパーツと予備のエンドはクリスマスですからとプレゼントしてくれました。
将来のスペアパーツの供給は怪しいのでスペアエンドの確保は必須。

届いて驚きましたが前後ホイールエンドまでしっかりカーボン製です、コレは053が唯一。
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反面アウター受けの周辺の仕上げは素人が手作業でアウター受け埋め込んで適当にパテ盛った様な少々雑な仕上がり。サンプルのグロス仕上げだと分からない程度ですが3Kマット仕上げだと少し目立ちます。
ホイールはシマノRS80をセット
P1070256.jpgインプレですが乗った瞬間あまりのスムーズさに声が出る程すぐに素性の良さが分かる感じで一同本当に中華かと疑った程
硬いんですが勘弁してくれみたいな剛性一辺倒じゃなくて路面のインフォメーション伝えながら振動は殺す感じ。
塗装してメーカー製の4~50万台の完成車と言われたら分かる人居るのかな?
アルミフレームから乗り換えただけで15キロの通勤タイムが10分縮まったとか
軽量高弾性フレームの薄皮パリパリの乗り味より万人向けで好印象を受けるかも。
乗り味が軽いのでオールマイティーに使えるバランス型です。



2台目はHONGFU FM039

http://www.alibaba.com/product-gs/433365353/Full_carbon_frame_road_bicycle_frame.htmlwebsite[1]

HONGFUってメーカーのオリジナルで独特な形状のフレームです。
サンプル図面や設計用のCG見るとエアロ形状やワイヤーの内蔵など最新トレンド取り入れた中々凝った作りになってます。
ちょうど欲しいサイズが製作中だったんでかなりすんなり届きました、ノーマルシートポストでグロスのUD仕上げ。
サイズ540価格は530ドル、送料が80ドルと高すぎたので交渉しました、普通50ドル前後ですぜ。
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このフレームはとにかく仕上げが綺麗で工作も好印象、
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シートポストの精度も文句なしで抜き差しスムーズ、目盛りがあるのでポジション出しも楽チン。

fm039[1]
特に良かったのが内蔵ケーブル
他のフレームも内臓なんですがこいつは完全内蔵型というか変速ケーブルがBBの下すら通りません、インナーワイヤー差しこむだけで10秒もすればフロントディレイラーの真下からワイヤーが出てきます
残りの2台もリアはチェーンステー貫通式ですがフロント内蔵型はFM039だけ。
当然ワイヤー作業は今まで組んだ中で最高の簡単さ、あまりの素晴らしさに感動して思わず涙。
シートポストもこいつだけは無加工で装着出来ました、いや素晴らしい。

ホイールはマビックアクシウムP1070325.jpg
乗り味はそれなりに個性的、踏み込み自体はソフトだけどトラクションの掛かりが独特で後三角からグイッと押し出される様に進む印象
試乗って事でハンドル位置高めにしてたら踏み込んだ時にトラクションが掛かってフロントが加重不足で不安定に
スタンディングで腰を引いたらフロントリフトするんじゃないかと思いステム位置下げたら嘘の様にピタリと収まった
踏み込んだ時の反応はホイールの重量も影響して穏やか、速度に対して少し重めのギアだとスーっと伸びるようなフィーリングで巡航も楽
踏み味が柔らかいので評価は別れるだろうけど持ち主ガチガチのクロモリからの乗り換えだったので好印象でした。
元々平地を大トルクで回して巡航するタイプなんでバイクで言う所の常にチェーンを張る乗り方が出来る人には向いてます。
重心バランスの影響も受けやすいので本人の軽量化も性能アップの鍵かも。
リアの挙動がステム下げただけで落ち着いたのでステム伸ばして更に前荷重増やしてやるポジションを目標で
サイズを540か560かで悩んだけど胴体が長いんでサドル引いてハンドル目いっぱいでもいいかもしんない
ホイールが硬めの重量級だが後ろが柔らかいので軽量級の硬いホイールも入れれば更なる激変の可能性あり
現状では足にやさしい高速巡航型でって印象ですね。

3台目はDENGUFU FM-098

二日連続のフレーム組みですが初めて組んだ時三台まとめて組み替えたので問題なし
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http://dengfu.en.alibaba.com/product/504657545-210306319/700c_new_full_inside_cable_carbon_aero_road_racing_frame_fork_seatpost_FM098.html
HONGFUと名前が被るけど別のメーカー、コレもSPECIALIZEDのヴェンジに似てますが比較するとジオメトリとか微妙に違います。
FM098 完成版
サンプル画像に塗装イメージがあったので聞いてみると「塗装デキルヨ、安イヨー」と言うのでロゴ抜きで塗装してもらいました。
その後量産時にシートポストに問題が見つかりその改良で納期が遅れたり、あちらの手違いで1ロット分後回しにされたりと海外ならではのトラブルに遭遇w
発送確認後に追跡出来ないから問い詰めたらこっそり塗装やり直してて実際の発送は一週間後だったりしましたが、リムの時とは事情が違い品質向上が目的だったのでお咎め無しw
サイズ560 価格は668ドル、塗装55ドル、メタリックに若干のムラがありますが実質ワンオフで3色使っての塗装と考えると安過ぎ。
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一週間遅れると聞いたのでまだ決まってなかったハンドルを一緒に送ってもらいました、ステム一体型でワイヤー中通し。

低いトルクで仮止めしたらネジが片方バカになってしまう

あまりの恐怖で赤いおしっこ漏らして床一面ベチョベチョに。

返品?タップたて直し?ヘリサート?と焦りましたがボルトを国産に替えたら

何事もなかったかのようにしっかりトルク掛かってくれました。

やっつけのホムセンの奴でも国産ボルトって精度高いなあ。
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P1070277.jpg丁寧に塗りすぎたのかシートポストのクリアが厚すぎ、シートチューブ側も仕上げが少し荒くてまともに入らなかったのですり合わせに結構苦労しました。
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オーダー掛けてから分ったんですが実はこのフレーム、海外のメーカー数社にOEM供給されてましてルクセンブルグのMATHOTってメーカーがロンドンオリンピックに出場するロシアの女子トライアスロン選手に供給してたり
http://www.mathot.lu/page.php?nid=238
TeamCajaRural_CAJA RURAL003[1]ブルガリアのVIVELOってメーカーがカハルラルってUCIプロコンチームに供給してるフレームが瓜二つで聞いたらFM088ってVIVELO専売フレームでした
http://www.vivelo-bikes.com/bikes/road/arc-rs-team-edition
FM098はコイツをベースにシートステーとチェーンステーの形状を変えた(剛性を上げた?)兄弟モデルだと分ったり。
普通OEMに関しては聞くと渋られるんですがここの担当が面白い人で聞けばあっさり教えてくれました。
PayPalの支払いアドレスににgreatkeenbikeって会社名があったんで調べたらそっち名義でも色々売ってるっぽいです。
http://www.greatkeenbike.com/main/home/home.php
組んで乗った印象ですが手組ホイールが重くてガチガチ(オープンプロ+5700ハブ前後32本組)なのと一体型ハンドルも相まってとにかく剛性感が凄くて何やってもビクともしない感じ。
というかフレームより死ぬほど硬いホイールの印象が支配的すぎる。
かなり腕自慢の手組ホイール屋さんに組んで貰ったとの事だけど本当にガッチガチ
なんだろう? 重量倍くらいあるのに俺が組んだホイールもこんな嫌な硬さというか重さ、凄い似てる。
最初は踏んだだけ進むんでついガンガン踏んでアッという間に足を使い果たしてしまうとの事
フレームの印象は軽量パリパリでは無く芯の詰まったしっかりした剛性感で今回一番剛性あるかも
タイサ君は一番大柄なんでサイズ的な印象は語れないけど独特の硬質感はホイールなのかステム一体型のハンドルから来るのかは不明。
一緒にカーボンフレームに変えたみっちーが試乗した印象は硬いだったのに対しタイサ君の印象は振動がマイルド
タイサ君は体重もそれなりなので剛性のあるフレームは正解だった模様。

いずれにせよホイールの影響が大きいと思うんで頑張って減量に成功したら軽量ホイールでも組めば印象激変するかも。
兄弟フレームの088はチェーン、シートステー共に若干細身なんですがこっちは太くした分振動もそれなりに来ます
その分反応もいいんでとにかく踏み倒すタイプの人には一番向いてると思います。
053を全体的に一回り硬くした感じのフレームなんで剛脚さんにはいいと思いますよ。
Mathot-road-059[1]
それと1台目の053とこの098はフロント側のシフトケーブルの取り回しがちょっと面白いことになってます
短く切ったアウターをBB下に差し込んで内部に通すのでワイヤーが露出しません。
ワイヤーの変形量が減るのでコレはイイかも、今のところトラブル報告もありません。
しかし組むのが圧倒的に楽なのは疑いようがないようもなく039のタイプ
こんなことを書くと内臓タイプが全てに於いて優れてると思うかも知れませんがそうでもありません
整備性や調整のしやすさで考えるなら昔ながらのワイヤーが露出してるタイプの方が便利です。
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個人的にはフレーム破損を経験してるんで内蔵には少しだけ抵抗があるのも事実です。
理由はウチの595が破損してあわや廃車の危機に直面したからなのですがトップチューブが内蔵用の穴から破断しました
修復の際の話はいずれまとめますが細身のトップチューブにの側面に大穴開けて太いアルミパイプぶっ挿したLOOKの設計にかなり無理が合った様です。
今の内蔵加工は大きな穴を開けないアウター受け方式で形状も工夫されてるんで考えられてるみたいです。
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褒めてばかりでしたが唯一頂けないのはシートポストのヤグラ固定方式
トレックとかスペシャがやってる左右一本締めする方式です、昔同じタイプの使ってましたが下手な奴だと固定が甘くて体重ある人が乱暴に座ると簡単にお辞儀してしまうんですよ。
実際スペシャ扱ってるショップの人に聞いたら大分良くなったけど正直調整し難いから辞めて欲しいって言ってたっけ。
3車とも専用のエアロポストなんで他に選択肢無かったんですが、酷かったらすり合わせるなりの改造するかも。

それぞれタイプの違うフレームでしたが三台とも持ち主の好みにピッタリだったので一安心
後日別の調べものしてたらこんな記事を見つけて更に大満足。
http://forums.roadbikereview.com/bikes-frames-forks/chinese-carbon-thread-ebay-direct-version-5-0-a-241785-82.html
おお、アンケート上位3社とドンピシャだ。
しかもフレーム見た時の俺の印象とアンケート結果が一致してる、乗り味は個人の好みあるけど品質の印象はピッタリ。


最後はサーベロS2
そんなこんなやってる内に新潟の雪も溶けATOさんが来阪、みんなで寄ってたかって出迎えて組立て。
パーツの組立自体は簡単なんですが仕組みを説明しながらだとやっぱり時間が余計に掛かります。
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ワイヤーをトップチューブから縦に送る方式はFELTもやってるけどエアロ重視でフレームの横幅が薄いのでワイヤー通すのはちょっと窮屈
特にBB下からワイヤー出す作業が大変で涙目で何度もやり直し、コツを掴んだ時には作業終了。
P1000515.jpgお互いの距離の関係で気軽にメンテしたりポジション見たり出来ないので慣れるまで痛みが出ない様に今回ポジションは妥協の方向でコラムカットも控えめ。
初ロードでそれまでクロスバイク乗ってたそうなんで乗ってたクロスのポジションから適度な線を狙いました。

完成当日が橋下市長のサイクルイベント当日だったので試乗に行こうと思ったら雨に振られて試走が出来ずウエパでの買い出しは車で行く羽目に。
短い時間であちこち連れ回したり説明しまくり翌日は輪行で帰る予定だったので睡眠時間削って輪行袋の使い方の練習して頂く羽目に、翌朝試走を兼ね大阪駅まで二人で自走し、到着後通勤ラッシュでごった返す駅前で輪行作業開始
なんとか時間内に作業完了して見送ることが出来ました、その節は慌ただしくて本当に申し訳なかったです。
その後再び遠路はるばる淡路島ロングライドまで来られましたが、その話はまた後ほど。

インプレですがコレも買う前に予想で伝えた乗り味と大体近かったです。
若干腰高でベニアの一枚板にまたがってるような印象、縦に硬いけど乗り味はスキーかスケートの滑るようなスムーズ感
腰高な分コーナリングに少しクセがあるけど低速でフラつくような感じは少ない。
バイクを振っても自分程度の体重とパワーだと頼りなさも感じないのでエアロロードって事を気にせず普通に乗れます
同じサーベロでもR3SLみたいな乗り味が軽快でクセのないバイクと比べると「自分の意志でバイクに乗ってる」って印象を感じます、サーベロのSシリーズは初めて乗ったけどスムーズ感があるのに性格が明確に違うのは面白い。
P1070189.jpg今回中華フレーム組んで感じたけどやはりメーカー製フレームは仕上げにコスト掛かってます。
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サーベロみたい箱に堂々とメイド・イン・チャイナと書いちゃえるメーカーは自社の設計や製造先の技術に自信があるのは当然として、今回のシーポストなんかの細かい仕上げや塗装をメーカーは本国でたっぷりコスト掛けてるんで同じ製品でも例えるなら同じガンプラでも無塗装素組かちゃんと塗装して売ってるかどうか、位の仕上がりの差になってくる訳です。

そういう部分に価値を感じるかどうかってのはモノに対する価値観の問題なんで否定も肯定もしませんが、胸はって金を取れる品質だからこそ売れてるのも間違え様のない事実です。
実際の話ある中華フレームを日本の某有名ブランドから買うと約20万と5倍近いお値段に変わります、もっとも日本で知られてる有名メーカーの基準自体がメジャーレースで活躍してるか雑誌に掲載されてるかってだけの基準で曖昧なんですが自社の利益を乗せてますから当然高くなります。

厳密に言えば自腹で製造開発までやってるメーカーだと更にコストが掛かってるハズなんでブランド名乗っけただけのOEM製品と値段だけでひとくくりには出来ないのでややこしいです。
先ほどのフレームも生い立ちを知らずにメーカーから買った場合、得体の知れない中華カーボンではなく、国内ブランド製の雑誌やネットでも評価が高いレース向けフレームと言う肩書きに変わり、満足感は天と地程の差が生まれるわけです。

名よりも実か実より名か? 名実共に求めるとなると財布が軽くなる.
個人的には性能と品質、そしてコストのバランスを上手くとりたいけど、ホント悩ましい。
  

中華カーボンリム恨み節まとめ

MIXIの日記に書いてたネタをこちらでより詳細にまとめてみました。
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まずは去年の夏頃に中国からリム取り寄せて手組ホイールを自作した話の顛末から。
自転車趣味でロードなんて乗ってると軽量ホイールへの欲求ってのは誰もが一度は抱くものです。

きっかけは一昨年の秋の事、我が家もそろそろホイール替えるかって事で王子用にシャマル2-WAYを購入した際にチューブレスタイヤも導入しまして、淡路島一周して大層具合が良かったってんでじゃあ次は俺のホイールを何とかしようって事になったんですが、自転車趣味を再開して以来と言うもの自分含め部員の自転車を何台もフレームから組んだりとひとしきりやってきたのに自作ホイールに手を付けてないのは元リム屋としていい加減どうよ? という思いが常々抱いておりまして、なら組んでみようぜと思い立って、2011の淡路島ロングライドを目標に制作スタート。
方向性としては登りで武器になる軽さがあって平地がちょっと楽ならモアベター、更にせっかく組むのだから他の部員の為の人柱となるべくコスパ重視の中で面白い事はやる、と言う方向で決定。

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時代はチューブレスですがロード用手組リムはシーラント併用のノーチューブ製ほぼ一択で、評判も組みやすいとか柔らかくてサッパリ駄目とか両極端でちょっと手が出ない、タイヤの選択肢もまだまだ少ないので今回はパス。
ならカーボンリムという考えになったけどクリンチャーは構造的に重いし、熱でリムが変形した時が怖い。
チューブラーだと更に200グラム程軽くする事が可能なのでレースを中心にチューブラータイヤの人気が復活してるらしく、メーカーも新タイヤ作ったりしてる流れを考えると 人柱なんだからお手頃と話題の中華カーボンリム、しかもチューブラーに手を出す事にしました、幸い体重60キロと軽い部類なんで、破損の不安も少ないはず。


リムの入手に当たってはアリババドットコム英語版を利用しました。

ebayと違って製造してるメーカーの担当者と直接やりとり出来る代わりに最初のハードル高め。
日本語版もあるけど日本語がおかしいので英語版を翻訳ツールで見るのがおすすめ。
翻訳がデタラメ過ぎて驚く場合もありますが文章を区切って入力したりするとかコツを掴むとだんだん読めてくる
更に慣れるとデタラメ翻訳と原文見比べてなんとなく理解出来るようになってきますよ。
大丈夫、俺は中学高校と英語は1とか2でしたから皆さんのほうが賢いハズw
アリババは専用のチャットアプリがあってメーカーの担当者と直接やり取りが可能
英語表示で使いづらいんですがデメリットよりメリットの方が多いので我慢してます。
担当は結構親切な人が多いし、実はあちらも英語出来ないから翻訳ソフト使ってることが多々あるので意外と何とかなります。

色々探して候補に入ったのはこのリムでハイトは50ミリ
素材は東レのT1000、コリマのリムの様に内部を発泡ウレタンで補強してあり重量は他社の38ミリと同程度、更にインターナルニップル仕様を選択可能でブレーキ時の耐熱性も高いという謳い文句。
でも高弾性カーボンは強度が高い=薄くして軽く出来るって事なんでイレギュラーな力掛かった時にピシっと行きそうで怖いんですよね(実際王子のLOOK595が逝って修復する羽目になったし)中華リムの割れ報告を見てると20ミリハイトのリムで外周部の穴周辺が割れたって報告をいくつか発見したので低ハイトリムは除外。
100グラムの軽量化は飛び道具的に魅力だったんだけどね。
ちょっと前のリムなら安くしますよって言ってきたんだけどちょっとだけ重いので丁寧に辞退。
シマノのC35が空力的に50ミリと遜色ないって噂なんで38ミリがベストかなと思ったんですが50ミリで同重量と言われると平地でも効果あるかなとちょっと欲が出したくなりまして。
他にインターナルニップルなら通常のニップルよりリムに開ける穴を小さく出来るので穴周辺の強度低下減が期待できますし、個人的にはよく言われるエアロ効果よりも上からニップルレンチ差しこむんでアルミニップルでテンション上げてニップル潰れるリスクを避けて楽に組みたいって気持ちがあったんですが、チューブラーはインターナルだと後日の調整が不便。

その後別会社で同じスペックのリムを発見
気になったのでこちらの会社にもチャットで話しかけてみましたが様子がなにか変
というかなんか怒ってます、初対面だし心当たり全然ないよ俺?
「あんたの担当はもう帰ったわよ」
とか訳の分かんない事突然言うんですよ、もう訳分かんねえ。
よく聞いたら実はこの会社名前こそ違うけど先に問い合わせしてたメーカーと同じ会社だそうで。
アリババのシステム上人目に触れる機会が多いほうが良いらしくて、同じ商品の画像が乱立してるのもそういう関係らしい。
リムについて色々聞くとカタログスペックは同じでもこっちのリムの方が最新の設計だからこっち買えと。
この人もちょっと前のリム安いよって薦めて来たけど丁重に辞退。

50と表示されてますけど実際のハイトは49ミリで素材は同じくT1000との事
台湾の会社って謳ってたから期待してたのに実は中国だとか言って来ましたよ。
でも面白そうなリムなんで中華やむなし、しかし高弾性カーボンって共産圏へ輸出規制掛かってなかったっけ?
じゃあ強いって証拠見せてくれたら買うって言ったらデータ送るから1週間待つあるよってんで待機することに。

この新しい担当さん、同じく女性なんだけどとにかく対応が雑で世間でよく聞く良くない中国人像そのまんま。
spoke tension photo for VX-5A
待てど暮らせど資料が来ないんで催促したら来週送るを3回喰らって一ヶ月半後に届いたのはこの写真一枚、てっきりENテストの書類が来ると思ってたのに、、。
よく見ると俺と同じパークツールのTS2に簡易テンションゲージ、メーカーなんだからせめてテンションゲージは高いの使ってよ。
スポークの詳細分かんないとテンション読めないしこのテンションゲージ裏に細工出来るから説得力に乏しい。
スポークテンション高いだろって言いたいのはわかるけど、前の担当より意志の疎通がかなり不自由。
同じ会社なら前の担当の人に変わって欲しいんだけど仕方ない、日本人が細かすぎるのかもと思って話を進める。

リムの候補としてはあちこちのメーカーにOEM供給しまくってる台湾ギガンテックスのリムも候補に入ってたんですが、リム穴に補強てんこ盛りだったり頑丈な分重いのでパス。

ZIPPやENVEで組めば最高なんでしょうがシャマル基準の予算ではちょっと組めないですしそんなの部員に気軽に薦められません
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リムにそこまで金掛けるなら獄長でライトウェイト投げ売りしてた頃迷わず買ってたよ。

P1060759.jpg
で、結局買うことになって届いたリムがこちら。
リムの検品なんてメーカー勤務時代以来何年ぶりでしょうかねウフフ。

アレ?このシール、どっかで見た気がする、、。
嫌な予感がしたので記憶に蓋をしようと思ったがキーワードで画像検索してみた

スポークテンション80キロで割れたって報告あった20ミリのリムに付いてた奴だ。
これは良くない、非常に良くない。

ブレーキ面に耐熱繊維貼ってるらしいんですが指で触ると微妙にウネウネしてますよ!
走ってたらその内削れて平らになると言いたい所だけど、このリムブレーキ面も相当薄いんでちょっと笑えない。
そもそも雌型で整形してるのになんでこうなんのさ?
震える指で検品を続けるとさらなる驚愕の事実を発見


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こちら台湾から取り寄せたインターナル用のニップルレンチ。
コレをこちら側の穴から、、、
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入らねえ!!(((((((( ;゚Д゚))))))))
注文する前にちゃんと工具のサイズ伝えて使えるって確認取ってたんだが、、。担当にどういう事だと聞くとしれっと「工具で穴広げたら?」とか言ってきやがりました
いやいや、そっちのミスだろがと突っ込むけどこの担当メンタル強すぎて全然動じない。
むしろそれくらい普通だと言うので、客がカーボン削る工具持ってんのがアンタの普通なのかと突っ込んで非を認めさせ、加工した場合それが原因の破損は保証するって事で穴を広げることに。
俺がたまたま電動リューター持ってて良かったね、発注ミスだから普通返品なのに、とチクリ。
立場を利用してこういう事言うの大嫌いなんですが取引の段階から色々ありすぎて少し頭に来てました。
P1060767.jpg
リューターで削って
P1060769.jpg
入った!P1060772.jpg
元と比較するとこんな感じ。コレを前輪と後輪で44箇所もやらされたんですが、うっすら見えるように内部には発泡ウレタンが入っててこれも44個分削らないとニップルが入らない訳ですハイ。
しかし素人が手作業で開けた穴より工場で開けた穴の方が繊維ほつれが汚いとかどんな工具使ってんだよ?
>P1060841.jpg
ソレより気になるのは前後リムを比較した時の後輪側リムの品質、一つ前の写真の右側が前輪、左が後輪なんですがあちこち見ると外周の肩の部分なんかプリプレグが型に密着してないのかRMTでエポキシ流した時に回りきってないのか気泡が溝というかクレバス状に
キャプチャd
VX-5A.jpg
このVX-5Aってリム、他のメーカー製品の図面(上)と比較するとこの肩の部分物が凄い薄さなんですよ、ウレタンで補強してるから大丈夫だと思ってましたがこの薄さで溝になってると衝撃加わったら簡単に層間剥離なりクラックなり入りそうで怖い。
よく見たらT1000&M40って書いててますます不安に、それって果汁10%のオレンジジュースと同じ理屈じゃね?
TIMEのフレームですらクロスの貼り方が汚い(TIMEは靴下方式のRMTでクロスじゃないと説明したけど)と文句を言う元カーボンパーツ屋のウチの弟が見たら発狂しそう。P1070093.jpg
半泣きになりながらアルミのパイプでウレタン掘ってるとなんか変な色のウレタンの層がこんにちわ
P1070121.jpg硬くてアルミパイプじゃ掘れないのでドリルの刃でガリガリ砕くと茶色い結晶を採取しました
ガレージキットとかやってる人ならご存知プラキャストと同じ色です
つまり発泡ウレタンが混合不良とかの要因で発泡せずに硬化起こしちゃってるって事で、、
検品の時にもどっかでこんな色見たような、、。
P1070091.jpg
コレ後に証拠用に取った画像ですが、積層したカーボンを削って仕上げた部分から何か覗いてます、、、、、、、
リム外周部で発泡不良起こしたウレタンがこんにちわしてるって事は、つまりこの部分はカーボン削り過ぎて穴が開いてるって事で、、。
いくらウレタン入れて強度上がってるとは言え穴あいてたらその内マズくない?
何も見てない、見てないからもう組んじゃう。
P1060780.jpg仮組み済ませて、どんどんスポーク張っていくよー。
P1060878.jpg
あれ?
なんかここだけニップル締めると手応えがおかしい?
しかもニップルレンチが斜めになって抜けない!?
P1060888.jpg
他の場所でレンチ差し込むとほらね、まっすぐ。
色々やってやっとリム内部の状況を把握してまたもやうなだれる、もう勘弁
before.jpg
後に担当への説明用に書いたやっつけ図解だけど内部はこんな感じ。
黄色が正常な状態の発泡ウレタン、茶色が硬化不良起こしてる部分だと思いねえ。
内周のニップル当たる底の部分がガタガタでニップルが斜めになってしまうのです。

after.jpg
ニップルを締めるとスポークのネジ部まで斜めに曲がる訳ですよ
一緒に斜めになったレンチは穴に引っかかって抜けませんよファッーク。
キャストを除去して平らにすれば解決するんでしょうが、ニップル穴の底でガッチリ硬化してて剥がれません。
削ろうにも50ミリハイトのリムに空いた僅かな穴から工具入れるのも無理だし目視出来ない物を平らにするのは更に無理です。

昨日の今日で目眩を覚えつつ担当に報告するも返事なし、オンラインなのに何故?
いつもなら退席中でも後から返事来るんですがなんと翌日もノーリアクション。
良くない、これは非常に良くない予感がする。

これだけ問題だらけだと流石に商品のレベルに達していないと判断したので向こうがだんまり決め込むなら組むだけ組んで起きた不具合を全部撮影してから返品する事に決定。
こんな事もあろうかと支払いにPayPal使ってますんでこういう場合バイヤー保護を使えば正当な理由であれば返金を求めることが可能です。
P1060873.jpgニップルレンチが入らないので加工する場合、保証の対象とするって約束でしたんで抜けない場合も当然対象内ですのでレンチが抜けるように穴を広げました。
P1060874.jpgもっと綺麗に穴開けろよって話ですが、レンチを回すと干渉する部分を少しずつリューターで削った結果でコレでもギリギリなんとかニップルまわせてレンチ抜けるって最小限の形なんです。
P1060886.jpgまともな穴の大きさとニップルの位置を比較してもらえればに不良箇所のニップルがとんでもないことになってるか分かって頂けるかと。

P1070036.jpg
リム自体の最大スポークテンションは140キロらしいんですがその後20ミリリムが75キロで割れたって報告もあって怖かったので予定よりスポークテンションも若干低めの100キロでホイール完成、本人のテンションも低くて写真も暗目。
淡路島に持って行って乗りましたがいつ割れるのかと考えたらヒヤヒヤで怖かったです。
もうちょっと突っ込んだ印象を書くと、テンション低めに組んだんでまず横剛性が低い、リアは両側クロスで組んだんで今にして思えば踏み出しは軽いんですがなんか変に足にくる感じで序盤から足に違和感が来てなんだろうと思ってたら登りでちょっと振ってみたらたわんでブレーキシューに当たってるのが分かってブレーキのレバー開放して走ってましたが序盤で足に来たのか後半はグダグダでした。
耐熱性ってのもすっかり信じられなくなってたんで下りのブレーキも恐る恐る掛けてたんですがやっぱりブレーキ面がうねってるのも音や感触で分かりました。
P1070056.jpg
P1070052.jpgでもリムが軽いから50ミリでこの軽さ、スポークとハブを軽いの使ってる事もあるけどね。
電子はかりが汚いですがこれキッチン用じゃなくてプラキャスト計量用なんです。
付着してる茶色い汚れみたいなのがプラキャストってウレタン樹脂です、あの結晶と同じ色してるでしょ?
P1070117.jpg淡路島から帰ってきても担当から何の連絡も無いのでホイール即分解。
P1060817.jpg
やっぱりというか右のリムサイド割れてブレーキ面膨らんでます、ブレーキの違和感はコレか、反対側も亀裂入ってるし。
下り中に路肩から大きめの石が転がってきて避けきれずフロントで弾いちゃったんでやったかと思ってたんですが
割れてたのは無事な後輪でした、一回乗って割れるとか流石に笑えない。
P1070112.jpg反対側も例のクレーター起点に割れてました(赤丸)
P1070103.jpg
亀裂がうっすら溝全体に繋がってて横から押すとブレーキ面が少し浮いてました、これは怖い。
P1070107.jpg赤丸の部分は分かりにくいですが下まで完全に割れてます、で白丸みたいに
P1070106.jpg
P1070101.jpg
P1070055.jpg傷に何か塗ってあからさまにごまかしてる箇所が数カ所あったんで。
P1070054.jpgアセトンで拭いたらペーパーウエスがあら真っ黒、マジックで隠した傷の下からウレタンがこんにちわ。
P1070105.jpg穴空いてももう驚かないけどウレタン不良箇所多すぎ
P1070100.jpgゴミ踏んだまま成形されてます、型の掃除しないのか?
P1060881.jpgブレーキ面のうねりも可視化してやりたいですが光明丹だと手が汚れるんで、簡易的にチョークを塗ります
P1060882.jpgあくまで擬似的ではありますけど、ブレーキ面の下側はチョークが普通に乗りますが、ブレーキ面は凸凹が激しいのでチョークが山の部分にしか乗りません、どうやって貼ったらこんな酷くなるんだ?

とまあ改めてコレを強度と品質は最高と胸を張って売ってる方がおかしいって結論に達しました。
6687099651_967fdc043c_b[1]リムとして売るのは危ないから諦めてハンガーの材料にするべき
否、もしかしたらハンガーの基準にも達してないかも

で、再三連絡してるんでうが担当相変わらずノーリアクションです
しかたないのでチャットに「返金してくれと」シンプルに希望を述べてみました。
するとあれ程反応の無かった担当からレスが付いたのでここ数日起きたことを画像つきでありのまま伝えてみた。

(ここから以下一晩でのやり取り)

担当から返ってきたのは製品には問題無いので保証には応じられないとの驚くべきお返事。
突っ込みどころが多すぎるので一つづつ論破していく事にしました。

連絡してた発泡ウレタン硬化不良起こしまくりの件はそんな不具合起きた事無い知らないの一点張り
x-SBSH0115.jpgウチはコリマと同じ方式だからウレタンは黄色くて茶色の結晶なんて知らないってんで、実際の不良箇所の画像とわざわざ硬化不良起こしたウレタンフォームの画像突きつける。
仕事で二液型ウレタン扱っててこの画像に見覚えないなんて嘘は死んでも言わせない。
趣味レベルの俺ですらキャストの発泡と日々戦い続けてたのにそんな嘘が通用するかー!
不良の原因は他社(コリマ)のアイデアだけパクってノウハウのないお前らの技術不足だろって言ったら担当がぐぬぬ状態に。

リム割れに関しても貴方が無茶な事したから割れたーと逆ギレしたので、乗る前から割れそうだと一目で分かる程酷い気泡のある箇所がたった一日乗っただけで割れた、俺の体重は56キロでスポークテンションは限界よりはるかに低い100キロで組んだ、なのに割れたのは製品側に問題がある。リム亀裂は気泡のある部分と削ったニップル穴周辺に繋がった形でしか発生してない、ニップル穴の亀裂だっておそらく原因は品質だけど素人に削り加工なんて無茶な事させたそっちのミスが原因だったら加工が原因のトラブルは保証するって言ったの誰だっけ?って話で担当ぐぬぬ

ブレーキ面の問題も我が社の品質基準は十分満たしてて、お前たち客はそうやってすぐに我々工場の人間をいじめようとする!!と言って来たんで
P1070663.jpg
俺は日本のリムメーカーの元社員で毎日何千本ってリムを検査していたがこのリムはウチで扱ってたどんな安いリムよりも品質が悪い、もし俺が品質管理してたら一つとして出荷させないと部屋に転がってた軽合金リムの端材の画像を送って返答求めたら担当更にぐぬぬ、元リム屋なめんなー!
製法の違う金属リムとカーボンリムを同列に扱うのも無茶だけど、あちらの主張の方が余程無茶だしなー。

そろそろ観念したかなと思って返金の話しようとしたら保証には応じない!って返事してチャットから離脱されました。
どうやら泣き寝入りさせたいみたいですが、最初から嫌な予感しかしてなかったんで
慌てず騒がずPayPalにログインしてバイヤー(買い手)保護をクリック。
PayPalではバイヤーとセラー(売り手)がトラブルになった際、買い手を金銭的に保護するプログラムが存在します。
https://www.paypal.com/jp/cgi-bin/webscr?cmd=xpt/Marketing/securitycenter/buy/Protection-outside

これを利用するとPayPalが双方の間に立って公平な立場でトラブル解決の間に立ってくれます。
早速事情を簡単に入力して異議提出をクリック。

効き目が抜群だったのか異議提出から30分程度で担当が連絡してきましたw
さっきまでの態度が一変して製品を交換しますから異議を取り下げて下さいとの事。

実際は英語のやり取りでやたらフリーズとプリーズを連呼するのでなんの事だろうと調べてみると異議を出されたセラーは取引アカウントの口座を凍結されて他の取引でも代金の受け取りができなくなるっぽい模様。

口座のフリーズ解除してプリーズね、なるほどw

こっちはPayPal使ってなかったら泣き寝入りだったのに金が絡むとこの反応。
この切替えの速さはちょっと日本人には無理かもしれない。
対応の悪さを謝らず頼むからクレームを解除してくれの一点張り。
なんか品質よりもこの担当の人間性が一番の問題じゃないかって気がしてきた。

交換と言われても正直次の製品の品質も信用できません。
不良品送ってくれたらこっちから良品送り返すって言ってきたので信用出来ないと突っぱねる、しかも不良品を返す送料こちらで持てというので全てそちらのミスなのだから送料全額中国持ち、こちらに良品を送るのが先って条件しか飲まないと宣言。
あちらも渋々飲んできたのでじゃあ良品届くまで待つかと思ったらPayPal経由で担当からメールが。

またフリーズとプリーズって書いてあったので読むと先に凍結解除してくれと言ってます
異議は一度取り下げると再度申し立て出来ないので、あちらに悪意があればこんどこそ泣き寝入り確定です
信用出来ないから取引終わるまで無理と再度突っぱね。

するとあちらは返金するから着払いで不良品を送ってもう一回同じリムを買ってくれと言ってきた。
返金って事はあちらもまともな商品作れないから暗にもう買ってくれるなって言いたいのか、良くは分からんが交渉成立。
あとはアカウントに入金されるの待つかと思ってたらまたフリーズとプリーズのメールが届いた。
何故チャット出来るのにメール?と思いながら担当と再度チャット。
この慌て方見てると多分クレームを上に上げずに揉み消したいんだろうなあ、、。

返金にせよ何にせよやり取りが解決するまで異議は取り下げないと再度宣言
すると担当荒れる荒れる、さっきまでと態度違いすぎ。
私は眠りたいのに貴方はいつも夜に連絡してくるから私は眠れないと逆ギレ

チャットで問い合わせをする際は毎回チャット可能か訪ねてから質問していたし、昼食時に重なったら一時間後に連絡するから食事に行くように促してすら居ましたが、、と突っ込むとそれでもアナタ夜遅いと更なる逆ギレ

そもそも担当が昼前後か夜以外オフラインなんで、こちらはその限られた時間帯にご都合伺った上でそっちが問題ないってんで取引してる訳で、更に言うなら時差の関係でこっちはアンタより一時間夜遅くやり取りさせられてるとねじ込み
「貴方の主張が全く理解できない、この感覚の違いは日本と中国の文化の違いですか?」とグサリ。

すると担当「「お前のせいで睡眠不足アル!もう寝る!!ヽ(`Д´)ノ 」
と言ってそのままオフラインに、、、。

その後とりあえず一週間様子見たけど連絡なし
PayPalの異議申し立ては期間が限られてて、取り下げるか期日延長のクレーム扱いにエスカレートさせるかを選択しないと効力が失われてしまうのです、この場合も泣き寝入り確定。
仕方なくPayPalに再度ログインして、「異議」から「クレーム」にエスカレート
事の詳細をPayPal側に伝えるとPayPalはバイヤーに代金を払い戻すか判断します
無事払い戻しが認められたんですが一つ残念なことにクレームの場合返品義務があってその送料はバイヤー持ち。
3千円程度の金額ですがこっちは被害者なんで勘弁して欲しかったです。
しか担当はこのシステムを理解してて送料保証するから異議を取り下げろとしつこく言って来たって事は、異議取り下げた段階で手の平返す気マンマンだったのかも。

その後バイヤーの発送をPayPal側が確認した時点で無事返金となりました。
あー疲れた


長々駄文にお付き合いいただき申し訳なかったです。
何から何まであまりにもありえなさすぎて今でこそ笑い話ですが当時は大変でした
海外通販の駄目な例として参考にしてやって下さいw

その後日本語出来る他所の中国メーカーの人と話したんですが
「T1000は中国に輸出できないのでそのメーカーは嘘を付いていますよ」とバッサリ
まあそうですよねー。

時間的に高い授業料でしたが色々知識は得たので代わりのリム探すことにしました
依頼で軽量クリンチャー組んだり代わりのリムで組んだ新ホイールやらの話はまた後ほど。

リムを買うまで海外通販なんてせいぜいウイグルCRC程度だったんですが
コレを機に部員のフレーム買ったりと中国とのやり取りが増えましたがあんな酷い担当は居なかったので中華パーツ買ってみようと思ってる人は安心して下さい。
今回が酷すぎたので次回以降は中華がよく見えるかも。

そして二度と触れたくないと心底思ったあの中華リムは一年後別の形で目の前に現れます、その話もまたいずれ。